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【Nokia】【Android】Nokia Android5.0Tablet N1を発表

11月19日追記しました。

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この発表を驚きを持って受け止めた人は多いんじゃないでしょうか。NokiaはTwitter上で携帯電話ではない何かのティーザーを公開しており、AppleTVを黒くしたようなデバイスの画像からセットトップボックスではないかと言われていました。
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この予想を覆す形で発表されたのはAndroid5.0を搭載した7.9インチのタブレットデバイス。一体あのティーザーはなんだったんでしょうか(笑)そしてもう一つ我々の意表をついたのがその筐体デザイン。どう見ても某社のデザインに強くインスパイアされたデザイン。某社というのはま、Appleなんですが(^^;正にiPhone6Plusをタブレット大に引き伸ばしたデザイン。Nokiaは時折、他社のデザインにインスパイアされたデバイスを発表しますが、それでもNokiaらしさ的なものは残していました。しかし、ここまでまるまるコピーしているのは珍しい、リンゴマークが付いていたら誰もがApple製品と思うデザインです。
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どこからみてもApple製品のそっくりさん(^^;

正直、なぜNokiaがこのデバイスを市場に投入するかがよく分かりません。4月にMicrosoftに携帯電話端末事業を売却して間もないというのもありますが、現在のNokiaの主業は携帯電話基地局などのインフラ事業、地図やカーナビなどの位置情報サービス、そして知的財産の管理やライセンスを行う事業です。このN1が携帯モデムを内蔵せずWiFiのみということになれば基地局事業とのセットとしての投入ということも考えにくいことです。
まずは春節に合わせて来年の2月に中国に投入され、その後ロシアでも販売されるとのことです。
落ちたりとはいえまだブランド力の残る中国やまだまだ強いブランド力を残すロシアならビジネスとして成功できるという読みなのでしょうか。
この8インチタブレットカテゴリはライバルも多く激しい競争が行われている市場です。ここでの成功は難しいというより、かなり厳しいものになるんじゃないでしょうか。

このN1の面白いのはCPUにAtomを使っていること。Lumia2520の開発と並行してAndroidタブレットの開発もしていたのかなと思いましたが、よく考えたら2520はSnapdragon、初代Nokia NetbookのBooklet3Gの流れを組むデバイスとなるのでしょうかね。
Android5.0にNokia独自のソフトウェアを搭載されるとのことですが、すでにGooglePlayで公開されているNokia独自のラウンチャーアプリZ launcherが搭載され、背面カメラがプロモーションビデオで紹介されていたことから画像処理系のアプリ( Microsoftの関係上Scaladチームのアプリが乗るのは微妙かも)が搭載されるのかもしれません。

Nokiaの現在の事業形態から言って今回のようなタブレットデバイスを出すなら当然事業の一つの核であるHERE Mapsが搭載されるでしょうが、これを利用したカーナビゲーション用途などを前面に押し出したら面白いデバイスになるかもしれません。
もちろん、カーナビになりますだけでは弱いので車と連携出来るなにかもう一捻りあればもっと強くアピールできるでしょうけど。ま、現在の発表の内容では妄想の域でしかないですが普通のタブレットなんでしょうね。

今回の筐体デザインはMicrosoftの関係もあるのでしょうがポリカーボネイトユニボディの2520が商業的に成功しなかったというも影響しているでしょうね。だからと言ってAppleのそっくりさんデザインを採用するというのはかなり残念な行為で、最終的には凡百のタブレットの中に埋もれていってしまうんじゃないでしょうかね。

【追記】
NokiaがN1を投入する理由が分からないと書きましたが、こちらのななふぉさんの記事を読んで自分なりに納得のいく答えを見つけられた気がします。

Nokia N1でノキアブランドが復活した理由とは?

ノキアの説明によれば、Nokia N1はこのスキームに基づいた製品となるです。ノキアによる端末の工業デザインや、独自のランチャーなどのソフトウェア、特許やロゴなどを含むとみられる知的財産について、OEMパートナーにライセンス供給します。

 そのOEMパートナーは、端末の製造や販売、カスタマーサポートなどの端末事業全般について、責任を追うものとされています。

とあるようにNokiaは金融イベントでノキアブランドをOEMパートナーに積極的にライセンスしていく方針を示しました。金融イベントといえばNokiaがスマートフォンプラットフォームを一新しWindowsPhoneに乗り換えるという衝撃の発表をしたことが思い起こされます。この金融イベントで発表された戦略に基づいて元CEOのエロップさんがNokiaの運営を行っていったことは記憶に新しいところです。これは投資家への重い約束であり、あまりにもこの戦略に忠実であったためにエロップさんは投資家から多様な選択肢を試すべきだと突っ込まれていたくらいです。

こうなるとN1の意味合いも違ったものに見えてきます。OEMパートナーはiPadのようなタブレットデバイスを市場に投入したい、それに対してNokiaはNokiaのブランド名や特許、製造技術、もしくはZ Launcherなどのソフトウェアをライセンスします。これらはNokiaの現在の3本柱の事業である知的財産のライセンスや研究開発と合致し少しもおかしなことではありません。
また、なぜNokiaらしからぬAppleそっくりさんデザインを採用したのもOEMパートナーの要望とすれば合点がいきます。

OEMパートナーが端末の製造や販売、カスタマーサポートまで行うというのがN1というデバイスの本質を表しており、N1は”Nokiaのタブレット”というより”Nokiaの名前がついたタブレット”ということなのでしょうね。言い方は悪いですがこれはブランドの切り売りとも言えます。

Microsoftへの携帯電話端末事業の売却でNokiaはブランドも商品として売れるということに気づきました。Nokiaのコンシューマ市場への再参入という人もいますが、実際はBtoBビジネスの範疇となっており、長期的に見れば今回のApple模倣デバイスの投入のような出来事はコンシューママーケットでブランド力を低下させていくことになるのではないでしょうか。
そういう意味でNokiaは投資家の支持を得るために売れるものは売るという戦略を実行しただけで逆に自らコンシューマ市場への再参入には消極的で、その可能性は逆に低下したのではないかと思います。

【Nokia】Nokia World Abu Dhabi 6インチLumiaやタブレットが発表

Microsoftに携帯電話事業が譲渡されるため、最後になるであろうNokia WorldがAbu Dhabiで開催されました。今回は1ヶ月前のNew Yorkのイベントの中止もあって、発表予定だった端末の多くはリークされておりそれほどの驚きはありませんでした。しかし、個々に搭載された機能に付いては初見のものも多く興味深いものがありました。

意外だったのはキーノートのスピーカを努めたのはCEOから上級副社長に降格のステファン・エロップさん。よどみなく語りかける様に行うエロップ節は健在。Microsoftへ移籍後はデバイス部門のトップ就任やCEOの噂まであり、まだまだこうした製品発表イベントでは活躍しそうです。
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最初に発表されたのは、フィーチャーフォンレンジに投入されるAsha500、502、503。
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既に発売されているNokia Asha platformのAsha501のマイナーチェンジ版ですが、500は液晶サイズを落とし廉価版として、また502は従来と同じく新興国で需要の高いデュアルSIMモデル、503は3Gに対応しています。カメラに付いても500は2メガピクセル、502、503は5Mピクセルと光学センサーについてもサイズに差がつけられています。
これはより廉価な端末を求める層への対応で、$69と既発の501より$30ほど価格が低下しています。この分野でも成長著しい中国メーカなどへの強力な対抗機になると思われます。
筐体は非常に特徴的なものが採用されており、Crystal-clear designという透明なケースの中に様々なカラーの筐体が閉じ込められた様な独特のデザインになっています。これは楽しそうです。
エロップさんは”One Swipe!”とN9の系譜であるSwipe UIによる使い勝手をアピールしていました。

続いて発表されたのはLumia1520。
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6インチ、FullHDの大型液晶を採用したいわゆる”ファブレット”と呼ばれる端末です。Wimdows Phone8はGDR3となり、FullHDとクワッドコアCPUがサポートされました。これに合わせて1520もFullHDスクリーンとクワッドコアCPUが採用されています。また解像度のアップに合わせてホームスクリーンのタイルの配列も従来の2列から3列になり、より多くのタイルを配置出来る様になっています。
カメラについてもハイエンドらしくぬかりはありません。20Mピクセルと驚異のとまでは言いませんが高解像度のセンサーを搭載しており、もちろんレンズはCarl Zwiss、PureView Technology対応です。PureViewも第3世代と呼べるもので、1020などと同じく、オーバーサンプリング、強力な夜間撮影機能、手振れ補正(OIS)に対応しています。
ロスレスズームに関してはセンサーサイズが小さくなった事により2倍に留まっています。
価格は$749、第4四半期の発売です。

ファブレットは廉価版の1320も発売されました。
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1000番台はハイエンドだと思っていましたが、画面の大きさなんでしょうか(笑)まあ、そこは置いておくとして、安価な6インチモデルです。低価格と言う事もあり、スクリーン解像度は従来と同じく1280×720、CPUもデュアルコアです。アジアなどでは意外とファブレットの人気が高いそうで、そうした需要に応えてのものだと思います。LTEもLTE-ROW(Rest of the World)と呼ばれるもので新興国を意識したものになっています。

最後に発表されたのはNokia初のWindows8.1 RTタブレット端末Lumia2520。
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10.1インチの堂々たるタブレット端末です。Windows8 RTタブレットの不振からNokiaのタブレット投入はキャンセルされたと言われていましたが、verizonやAT&Tの採用があったからでしょうか、今回晴れて発表となりました。タブレットのデザインがiPadの追っかけである、前面は黒いガラス、背面は金属や黒いプラスティックと言うデザインが多い中、2520のカラフルなポリカーボネートユニボディは新鮮です。
iPadと比べると液晶性能で劣り(1920 x 1080)、カメラ性能で上回るというところでしょうか。カメラはこのクラスとしては割と高性能な6.7Mピクセル、f/1.9という明るいレンズが採用されています。重量615gはこのクラスとしては平均的な重さであり、iPadより軽いですがその分バッテリ容量は少ないです。
このデザインがどこまで、消費者に受け入れられるかですね。キャリア販売では安価に提供されるでしょうから、用途はWebやメールなどに限られる層にどこまでアピール出来るかがヒットの鍵になるでしょう。
オプションのカバー一体型のQWERTYキーボードは外付けバッテリ内蔵で$149。高価ですが、ビジネスユーザ等には重宝されるかも知れません。

今回のイベントでもNokiaは自社の強みであるイメージング技術をアピールしていました。Nokia Refocusと呼ばれる新機能がソフトウェアで新たに提供されますが、これは既に提供されているNokia Smartcamの様に複数の被写界深度の違う画像を撮影して一つの画像にするというもの。撮影後ピントを合わせたい場所をタッチするとそこにピントが来る様になります。また、1枚の画像としてWebにアップするとタッチ端末などではピントの位置が変更出来るようです。今後もこうした写真を撮るのが楽しくなるアプリケーションが提供されて行く事になるのでしょうね。

事前リークが多くて、今一かなと思いましたが、ふたを開ければ魅力的な発表が結構あったと思います。特に1520は写真撮影時のパートナーとして現地での画像確認のパートナーにいいなと思いました。(WiFiカード入りカメラのルーター&Flickrなどの画像確認)
Asha503もフィーチャーフォンレンジで液晶性能も低いので、日本ではどうという端末では無いですが、通話機として1520のパートナーにするのには非常に良いかもと思いました。

来年以降はMicrosoftに端末部門が吸収される事から、いつまでNokiaブランドでの販売が行われるかは分かりませんが、もう少しNokiaブランドでの魅力的な端末は登場しそうです。

【Nokia】Nokiaが携帯電話事業をマイクロソフトに売却

Nokiaファンにとっては、非常にショッキングな出来事、マイクロソフトがNokiaの携帯電話事業を買収するというニュースが本日の昼間、twitterや商業ニュースサイトを中心に駆け巡りました。
正しくは、Nokiaのデバイス及びサービス部門が売却されるであり、合わせてNokiaの所持する特許の10年間使用許諾と位置情報サービスHEREのライセンス供与が相互に行われます。

デバイスおよびサービス部門には携帯電話部門、スマートデバイス部門、営業部門、工業デザイン部門、生産部門、マーケティング、関連サポート部門などが含まれます。
Nokiaの生産部門に関わる18,300人を含む、32,000人の従業員がマイクロソフトに移籍します。

Nokiaは特許ポートフォリオは維持するとの事から、携帯電話事業に必要とされる特許をマイクロソフトは10年間使用出来る権利を得たと言う事になると思います。

また、NokiaはStephen Elop(元CEO、現Nokia上級副社長), Jo Harlow(スマートデバイス部門トップ), Juha Putkiranta(営業部門トップ), Timo Toikkanen(モバイルフォン部門トップ), and Chris Weber(マーケティングトップ)のマイクロソフトへの移籍も併せてこの買収と行われる事を発表しています。

以上の事から、Nokiaの携帯電話事業がまるまるマイクロソフトに譲渡され、マイクロソフトの一部門(Device)もしくはその一部となると考えるのが良いと思います。

HEREは戦略的ライセンシーというこということで、マイクロソフトと契約を結びそのライセンス料をNokiaは4年に渡って受け取ると言う事から、位置情報サービス部門はNokiaに残るようです。またNokiaはHERE Mapsで必要とされるマイクロソフトからのライセンスも利用可能となります。

このことからNokiaの残された事業としては
・基地局事業などのインフラ部門(ノキアソリューション&ネットワーク)
・位置情報サービス(HERE)
・特許などの知財管理

になります。
CEOは暫定的に会長であるRisto Siilasmaa氏が努め、Nokiaの株主の承認を持って正式に買収が決定します。

また、今回LumiaやAshaのブランド名もマイクロソフトに譲渡されると共に、マイクロソフトはNokiaからNokiaブランドを利用出来る権利をライセンスされることになります。

これはマイクロソフトがNokia LumiaやNokia Ashaとして端末を販売出来る事を意味し、まだまだNokiaブランドの強いアジア地域などではNokiaブランドで引き続き販売が行える事を意味します。
北米など、Nokiaの知名度が低い地域では徐々にMicrosoft Lumia→Surface phoneなどの様にブランドや端末名を変えていく可能性もありますが、当面はNokiaブランドで端末は販売されるのでは無いかと思われます。

個人的には今回の買収に付いては、マイクロソフトが従来のOSやOfficeを主力事業としたソフトウェア中心の事業から、デバイスとサービス中心の事業へ転換する(マイクロソフトは既に多くの中間社員をデバイスやサービス系の人材と入れ替えるリストラを実行している。)大きな変革にNokiaが飲み込まれたと思っています。

Nokiaには独立性を保ってもらいたかったですが、この流れが変わる事は無いでしょう。
今後のこの買収の行方は引き続き追いかけて行きたいと思いますが、マイクロソフトにはNokiaの資産や人材を生かして、この買収に見合う成果を上げて欲しいと思います。

【Nokia】HuaweiがNokia買収を検討!?

Nokiaファンにとっては、いささかショッキングなニュースがMy Nokia blogで紹介されました。中国の通信機器メーカHuaweiが、Nokiaの買収を考えているというもの。
これは、繰り返し話題に上がる噂の類いではなく、Huaweiのコンシューマ・ビジネス・グループ会長のリチャード・ユー氏がフィナンシャルタイムズに対して語った事が発端となっているようです。これを受けて株価は上昇しており、市場の期待感は高まっているようです。

ただし、語った内容はMy Nokia blogほどセンセーショナルなものではなく、”HuaweiはNokiaとの合併には(買収では無い)オープンである”というもの。
現状の時価総額ではNokia 145億ドルに対して、Huawei 133億ドルですから、対等合併と言っても良いでしょう。現時点では、Nokiaに対して合併に関する打診をした訳ではなく、例えば合併の話が浮上した場合、その話のテーブルに着くことを拒否するものではないというニュアンスに取れます。

一方で合併に関する条件的なものも語っており、Nokiaはビジネスプランの再考が必要で、”Windows Phoneの成功は難しく、マーケットが小さいにも関わらずライセンスフィーが必要でこれは良くない。それに比べてAndroidはただだ。”と語ったそうです。

Huaweiにとっては本業である基地局事業がノキア・シーメンスとのシェアを合わせる事により、一気に世界トップに躍り出る事が出来ることや、Nokiaの保有する多くのパテントを利用できるというメリットはありますが、リチャード会長が語る通り、不振の端末事業がネックという事でしょう。
Nokiaにとっては中国市場などのシェア拡大などのメリットは感じられますが、それほど好ましい合併では無いような気もします。
また、My Nokia blogの刺激的なタイトルの様な、TOBなどによる敵対的な買収をHuaweiがNokiaに対して仕掛けるような強い意思も無く、またそこまで行うメリットも無いでしょう。

不振に喘ぐNokiaですので、何があってもおかしくは無いのですが、これが同じ中国企業のZTEの様な遥かに時価総額の高い企業が吸収合併する様な形で行うのは別として、現時点では可能性は低いのではと思っています。

【Nokia】【Windows Phone】Lumia 510と620のモックアップ

山根さんにLumia520 510と620のモックアップをいただきましたので、ちょっとご紹介。
型番から分かる通り、520510と620はミッドレンジより下の辺りをカバーするモデル。スペック的には両者似通ったりで、は510はOS7.8、Single-Core CPU 800MHz、256MB RAMと完全に1世代前のスペックです。620については、1.0GHzのDual-Core CPU、512MB RAM、8GB内蔵ストレージなど基本スペックは同一ですWP8以降のスペックです。。発売時期もありますが、むしろ520の方がバッテリ容量(620→1300mA、520→1430mA)や液晶サイズ(620→3.8ich、520→4.0ich)ではスペック的に上にあり、やや下克上な感もあります。


左が620(マゼンタ)、右が520 510(背面カバーは白)です。520 510の方がやや幅広く薄いです。


スペックでは上回る520 510ですが、やっぱりNokiaスマートフォン最低価格帯の端末であり、620に比べると、筐体はやや質感が劣る気がします。


920と比較、これ見るとやっぱり920って大きいですね。ここには明確なハイエンド端末とミッドレンジ以下のモデルの線引きが感じられます。


嘗てのミッドレンジ機710と。710は液晶サイズでは完全に520 510や620に負けています。あっという間に最新デバイスを古びさせるスマートフォンの現状はちょっと恐ろしい感じもしますね。


厚みに関して言えば710は520510や620の敵ではありません。こちらもずいぶんと進化しています。


iPhone5との比較、サイズ的にはiPhone5は520510や620と同じミッドレンジクラスの筐体サイズである事が分かると思います。当然、性能では大きくiPhone5が上回ります。

520510も620も手に収まる扱い易いサイズでカラフルな筐体も相まって、普段使いに良いかもと思わせます。ただし、似たり寄ったりのスペックで筐体デザインでの差別化くらいしかなく、もっと強力な個性も欲しいなと思うのも確かです。今後はCatWalkと呼ばれるデザインに特化したアルミ筐体の薄型モデルや大型カメラセンサーを搭載していると言うEOSなどの噂もありますので、そちらには強い個性を期待したいと思います。

【Nokia】【Windows Phone】Lumia520と720が発表

Nokiaが世界最大のモバイルの祭典MWCにおいてLumia520と720を発表しました。
残念ながら存在が噂されている808PureViewと同等の光学センサーを搭載されたハイエンドモデルEOSや新しいアルミ筐体を採用したデザイン重視モデルのCatwalkなどの端末は発表されませんでしたが、WP8以降の700番台を埋めるモデルがついに登場し、500番台のモデルでもWP8搭載と地味ながら確実な進化が見て取れます。
Lumia720は型番からも分かる通りミッドレンジをカバーするモデル。残念ながらLTEはサポートされませんが、カメラ機能には力が入れられており、歴代Nokia最強のf/1.9という明るいレンズ(もちろんカールツァイス)が搭載されています。
今回、PureView冠こそ付けられてはいませんが、670万画素ながらBSIセンサー採用などカメラは良い写りと成るのでは無いかと期待しています。個人的には720と920の関係はNokia全盛時の名機N95とN82の関係を思い起こされるものがあります。
また、4.3インチと言う比較的大型のスクリーンながら重量を128gに抑えたのは頑張ったと思います。512MB RAMでWP8のアプリも問題なく動く事から実はお買い得なモデルではないかと思います。

Lumia520についてはNokiaスマートフォンとしてはローエンドをカバーするモデル。驚いたのはWP8搭載と512MB RAM。完全に上位機種の620を下克上する形と成っており(620も512MB RAMでした。ただし液晶サイズは620の3.8インチに対して520は4インチ)、こちらもお買い得度は高いです。ローエンドの高スペック化は低価格スマートフォンの競争の激しさを感じますし、Nokiaが開発の手を緩めていない事も感じます。

両端末とともに香港、シンガポール、ベトナムで3月中に発売し、第2四半期にはヨーロッパやアフリカ、中国、インド等に投入されます。ここの所、アメリカよりの戦略が重視されてきましたが、まだまだスマートフォンの成長の余地が大きく残されているアジア重視のモデルと言えるかも知れませんね。

この他、最近はタッチパネルモデルが重要視されていたSeries40ですが、ベーシックなキャンディーバーテンキーモデルであるNokia301や最低価格帯のモバイルフォンNokia105などの新興国向けのフィーチャーフォンやモバイルフォンも発表されています。この市場も競争が激しく大変ですが、カラフルな筐体とNokiaらしいデザインでライバル達に負けない戦いが出来るのではと思います。

昨年の印象と比べると端末などは地味な印象が拭えないですが、現在約半年置きに新端末を投入している事を思えば、たまたま派手な端末の発表にうまく当たらなかったのではないかと思います。現在920は毎日持ち歩いて使っていますが、軽さと薄さで720はいいなあなどと思い始めています(笑)

【Nokia】Nokiaの第2四半期決算が発表

Nokiaの第2四半期の決算が発表になりました。事前に予想はされていましたが、厳しい結果となりました。

Nokia Q2の決算報告資料

純損失14000億円と大幅な赤字、デバイス・サービス部門の売り上げ減が大きく響いています。
端末の売り上げは8,370万台、前の四半期から5%の落ち込みになります。
スマートデバイス(実質的にスマートフォン)は1,020万台の売り上げ、前の四半期から14%の落ち込みとなりました。Symbian(とMeeGo)の販売台数減が大きく響いています。まあ、この辺りはプロモーション活動をLumiaに集約しており、808PureView以外の新機種が出ていない事から当然の結果と言えます。(808PVは時期的にQ2の売り上げにはほとんど貢献していないと思われます。)
ただし、将来に明るい材料もありLumiaは前の四半期から倍増の400万台の売り上げを記録。まだまだ目標にはほど遠い販売台数と思いますが、徐々に大量の広告費やオペレータと協力した販売戦略が成果を出しているのでしょう。Lumiaには更なる飛躍を期待したい所です。
地域別にみると、ヨーロッパ、北米、南アメリカ、中東・アフリカ、中国が軒並み落ち込みを見せていますが、中国の落ち込みが前の四半期から14%と最も大きく、北米と並んでLumiaの大きな消費国として期待される中国には更なるテコ入れを期待する所です。(販売拠点の統合など不安要素もありますが。)
その中で成長を見せているのが、アジア・パシフィックです。モバイルフォン全体の売り上げは7,350万台と微増ながら伸びており、中国勢などの強い圧力を受けながら成長を見せています。これはAshaが伸びている証拠でしょう。南アメリカでも前の四半期より、多少ながらも伸びており、Nokiaがスマートフォンと並んで成長戦略の柱としている”Next Billion”新興国市場への取り組みは確実に実を結んでいるのではないでしょうか。
また、Nokiaの業績の足を大きく引っ張る要素となっていたインフラ部門、ノキア・シーメンスもリストラ効果もあって低迷を脱し収益体質を改善する見込みが見えてきました。これも明るい材料です。

Elop CEOのメッセージも発表されており
“Nokiaはこの移行期を乗り切る為の行動を取っています。第2四半期は困難な四半期でしたが、Nokia社員は競争力を強化する決断を行い、収益モデルの実現と資金の慎重な管理をしていることを披露する事が出来ました。

第2四半期で400万台のLumiaを出荷し、Windows Phone 8の発表を経て、現行のLumiaにアップデートを提供する予定です。Windows Phone8の出荷はLumiaにとって重要な成長を促すものとなると確信しています。当、四半期でフィーチャーフォンビジネスの安定性を証明し、最初のフルタッチAshaデバイスで競争力を強化しました。
位置情報やコマースの部分では自動車業界の顧客との関係は成長を続け、位置情報サービスのプラットフォームはYahooやFlickr、Bingとのビジネスの様な良い状態を作り出す事が出来ました。
特許権のポートフォリオは引き続きの強化を行い、2007年以来のどの年の最初の6ヶ月よりも2012年の前半で多くの特許を提出出来ました。
ノキア・シーメンスネットワークは焦点を絞った戦略の強力な遂行により、基礎的な営業利益が回復する強化を行いました。

リストラプログラムを緊急性を持って実行しています。Vertuの様な中核事業と関係ない資産を売却しました。6月14日に発表された新しいプログラムを含む会社の再編の為に必要な措置を行っています。
予想より早く、ドイツのR&D拠点Ulm閉鎖の交渉を開始しており、フィンランドのサロ工場の閉鎖も連帯の精神で進めています。

株主への配当を調整した後、安定レベルの正味の資金を確保しました。第3四半期も引き続き困難な状況が続きますが、キャッシュフローの出来るだけ早急な改善の為には端末とサービス部門の回復が最重要事項となっています。”

端末部門の成長がNokia復活の鍵となっている事は間違いありません、SymbianからWindows Phoneへ、WP7からWP8へ、過渡期と莫大なリストラ費用が重くのしかかっていますが収益を削ってでもシェアを拡大しようと言うのが現在のNokiaの戦略です。
これはWindows Phoneのベンダー企業でNokiaをリーディングカンパニーと位置づけ、Windows Phone 8の登場で競合他社に対して優位に立つ為の戦略で、必ずその成果が得られるものと信じています。

【Nokia】【Windows Phone】MicrosoftがWindows Phone8を発表

Microsoftが日本時間の昨日深夜に行なわれたWindows Phone Summitにおいて新しいモバイル向けOS、Windows Phone8を発表しました。これは長らく登場が噂されていたコードネームApolloの名前で呼ばれていたものであり、現在のWindows Phone7.5 Mangoの後継OSとなります。
カーネルはWindows8と同じNTカーネルとなり、その恩恵でクロスプラットフォームによる開発が可能になるため、アプリケーションの増加に効果が期待出来るという利点もあります。


今回のWP8のUIで大きく変ったのは、スタートスクリーン。ライブタイルの扱いがより柔軟性を持ち、従来のタイルを4分割することによって、大きさも1×1、2×2(従来の標準的なタイル)、2×4などよりカスタマイズ性が上がりました。(従来の標準的サイズよりタイルは大きくなるの話あり。)

ハードウェア面では今迄、スペック的には決め打ちで端末毎に大きな差が発生していませんでしたが、新たに1280×768、1280×720の解像度がサポートされました。AndroidやiOSデバイスに見られる高解像度のデバイスにも対応出来ます。
ただし、事前に噂されていた480×640の解像度は登場しませんでした、より低解像度の安価なデバイスを開発可能にするだけでなく、BlackBerryやE6の様なキャンディバーQWERTYデバイスの登場も難しくなったと言えるのかもしれません。

また、機能面ではNFCがサポートされWalletと呼ばれる少額決済にも対応します。

その他の変更としては

・デュアルコアやマルチコアCPUをサポート。
・microSDカードをサポート。アプリのインストールも可能に。
・Nokia Mapsを標準の地図に。
・VoIPアプリがバックグラウンドで動作。

等々。
残念ながら、現状のLumiaシリーズはアップデートの対象になりませんでした。
ただし、WP7.5と8の中間に当たる7.8と呼ばれるバージョンが提供されます。WP8の新しいスタートスクリーンは提供されるため逆に既存ユーザは前倒しでWP8の機能を体験出来る事になります。
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すでにLumia900で動いているWindows Phone7.8。

Lumiaがアップデート出来ない事は、既に多くのユーザから非難の声が上がっており、Lumiaシリーズの買い控えが起きるのではと言う意見があります。一方、Lumiaの主たる消費先であるアメリカでは契約込みで$99であり、この層が最新OSへのアップデートをそれ程求めているとは言えないという意見もあります。

今回の新OSは高解像度対応やマルチコアプロセッサの対応など、高機能化を前提としたアップデートとなっています。これはiOSやAndroidデバイスをキャッチアップする為に重要と思いますが、戦略的パートナーとしてNokiaのビジネスモデルに適応した、より低解像度でロースペックのモデルでも動く様なタイプも登場させるようにMicrosoftに働きかけるべきだったのではないでしょうか。

秋のNokia WorldにはWindows Phone8の搭載された端末が発表される事は確実でしょうから、期待して待ちたいと思います。

【Nokia】【Series40】タッチ対応、新しいAsha

新しいAshaが発表されました。タッチ対応と言ってもこれまでもAsha303など、キーパッドを併用したタッチ&タイプの端末はありました。今回発表されたAsha305、306、311はいずれもテンキーパッドやQWERTYキーボードを持たないフルタッチオペレーション端末です。

Nokiaの公式ブログNokia Conversationには
“新しくなった素晴らしいタッチスクリーン体験、高速なWebブラウジング、ゲームやSNSが中心となる3台の新しい携帯電話が本日、Nokiaから発表されました”
とあります。

“NokiaのSwipe技術を基にした新しい楽しく、遊び心のあるインターフェイス、Asha Touchが端末上で実行されます。”

Series40のSwipeなタッチオペレーションに付いてはこのブログでも紹介した通り、Series40のシングルタスクという現状では古くさいとも言える仕様をカバーするUIです。

このブログでも何度も紹介している通り、Nokiaの工業デザインチームのトップ、Marko Ahatissari氏は何度もSwipeは低価格帯のデバイスに採用されると言ってきました。また、それらのデバイスの目的は”Next Billion(新興国の人々)”をWebに接続させる事だとも言っています。

“Nokia Browserは大きなアップデートを受け、クラウド技術を利用して90%以上のデータ使用量を削減します。利点は数多くありますが、データ読み込みが高速となり、バッテリー持続時間が向上し、インターネットの接続がより安価になります。”
このあたりは、インフラも発展途上で所得もまだまだ低い新興国の人々を正にwebに接続させる方法でありますね。

当然、いまや携帯電話を使う上で主要なサービスとなっているSocial Network対応アプリも標準装備、ゲームに至ってはEAの40種類以上の無料ゲームが使えるようになります。

ターゲットは若者。彼らにスマートフォンライクな最初の端末を提供する。その役目は十分に果たせる端末だと思います。

Asha305、Asha306

両者とも筐体は共通です。両者共通のスペックは
3.0インチ WQVGA 感圧式タッチスクリーン
2 MP カメラ
ミュージックプレイヤー、FMラジオ
内蔵スピーカ
プラグインプレイ、Easy PC Connection、ファイル転送
GPRS/EDGE接続
Nokia Maps and Nokia Life (Marketより入手可能)
筐体色: シルバーホワイト、レッド、ミッドブルー、ダークグレイ

追加機能としてはAsha305にはホットスワップに対応した
Nokia’s Easy Swap Dual SIM technology(つまり電源ON/OFF無しに2つのSIMの入れ替えが出来る。)に対応します。

306についてはWi-Fiに対応します。

Asha311

3.0インチ 傷防止加工、静電式スクリーン
直射日光の下で優れた視認性となる極性フィルター
WLAN
3.2 MP カメラ
1GHz プロセッサ
ミュージックプレイヤー、FMラジオとインターネットラジオ
プラグインプレイ、Easy PC Connection、ファイル転送
HSPA接続
Nokia Maps and Nokia Life (Marketより入手可能)
筐体色: ダークグレイ、ローズレッド、ブルー、ブラウンとサンドホワイト

個人的にはAsha305、306の筐体デザインの方が好きですが、HSPAに対応したAsha311の方が普段使いには良いかもしれませんね。(てか日本じゃ使っちゃいけませんが。)

Nokia Asha 305 – €63 / $85、2012年 第2四半期
Nokia Asha 306 – €68 / $93、2012年 第3四半期
Nokia Asha 311 – €92 / $121、2012年 第3四半期

と言う事でいずれも魅力的な値段です。
スマートフォンではないので中々、皆さんが興味がわく端末では無いかと思いますが、私も研究目的を含め1台入手しようと思います。Asha306か311のブルーかな。

【Nokia】【Symbian】Carlaはキャンセル?それとも!?


昨日、Nokiaユーザに取ってはショッキングなNewsが流れました。Nokia(Symbian) Belleの後継OSと言われたCarlaがキャンセルされたと言うもの。
これはイタリアで行われたLumia 610/900の発売記念イベントでNokiaのプロダクトマーケティングマネージャのMathias Fiorin氏が明らかにしたそうです。

Nokia cancels Symbian Carla, Belle FP2 to be the last Symbian?

Phone Areanaの見解は、Symbianの退役は予想より早まりBelle FP2が最後のバージョンになると言う、ややネガティブな見方です。

この記事の発信の元になったのは、イタリアのNokialinoというブログ、ここを見るとPhone Areanaとやや異なった印象を受けます。

そこにはForin氏と取り交わしたらしい質疑の内容が書かれており、Carlaについては如何の様な事が書かれています。

Symbian FP1とSymbian Belleに対する、Carlaもしくは最新のアップデートは数ヶ月のうちにリリースされるでしょうか。

Carlaという名前は既に使ってはいません。FP1が嘗てCarlaと頻繁に呼ばれていたものです。

かなりニュアンスが違います。Belle FP1は808 PureViewに採用される最新のアップデートでHTML5の親和性を高めたブラウザや新しいWidgetを搭載していて、最近Nokia 700や701、603と言った第二世代のSymbian^3端末にアップデートが提供されています。
また、ハードウェア性能が劣ると言う観点からアップデートが見送られている第一世代(N8やE7)にFP1 Liteと呼ばれるアップデートが提供されると言う噂もあります。
決して、今回の報道がSymbian終了を示すものではない事は理解出来ると思います。

Nokiaは公式には2016年までSymbianをサポートすると発表しており、だいたい2年はメンテナンス的なサポートを行うのが通例です。逆算すると新規の端末が発売されるのは2014〜2015年までとなり、2.11直後のWMCで発表されたロードマップにも合致します。

ただ、Symbianを取り巻く状況は非常に厳しくなっており、Nokiaは業績不振からWindows Phoneを補佐して行く立場にあったSymbianを早めに退役させ、Windows Phoneに資源を集中して行くという考えも出来ない訳ではありません。
質感的にはEseriesにも匹敵する様になったAsha302などSeries40の底上げも無視出来ない要素です。

現在でもSymbianは四半期に1000万台を販売しており、ピーク時の1/3程度とは言え決して小さなプラットフォームではありません。年間、8千万台から1億台、WindowsPhoneがここまでのプラットフォームに育つまでSymbianはWindows Phoneの苦手とする部分を支えて行かなければなりません。

808PureViewが間もなく発売になるなど、明るい話題もありSymbianにはもう少し頑張ってもらう必要があります。