アーカイブ : 2010年 10月

【Symbian】【N8】Symbian3の新しいUI

Symbian^3の改善点で大きいものの一つにUIの改良があります。ライバル達にUIの完成度で劣っているのは明らかで、Nokiaの開発責任者のAnssi Vanjoki氏もユーザに満足の行くエクスペリエンスを与えられなかったと認めていました。
UIの変更点を追いながら、いかにSymbian^3のUIが改良されたか追ってみたいと思います。

・3つのホームスクリーン
symbian^3からホームスクリーンは3つなりました。これまでの1つのホームスクリーンでは一度に表示できる情報が限られることもあり不満に思う場合がありました。今回は一気に3倍のアプリを置けるのでそうした不満も大部解消されるでしょう。
画面の切り替えは2つの方法で可能です。一つは画面を水平に指を滑らせること、いわゆるスワイプという方法ですね。もう一つは画面の下中央にある3つのポッチ。この部分をタッチしていく事で画面が切り替わります。このポッチは現在どの画面が表示されているかを示す役目をしていて表示されている位置のぽっちは白く反転します。
Widgetは時計とプロファイル、Favorite(お気に入りの連絡先)、Calendar、Nokia Social、電話やメールの通知、メールの新着表示とショートカット、WebTV、NewsサイトなどのRSSなどがあります。
またアプリケーションのショートカットが置けるWidgetは従来1画面に2つのショートカットしか置けませんでしたが今回からは全てのWidgetをショートカットにする事も出来ます。
忘れてはいけないのが起動時にWidgetの表示で待たされなくなった事ですね。従来は起動して通信するWidgetが立ち上がるまで待たされる事がありましたがそのような事もありません。前回の状態を記憶し、とりあえず表示をしてから更新はその後で行うという感じでしょうか。

このようにホームスクリーン全体をショートカットにすることも出来るようになりました。

・画面長押しによるポップアップメニュー

日常使われる様な一般的な操作は従来通り左側のOptionでメニュー表示させ選び、右のExitで終了させるというS60のUIそのものです。
ただし特殊な操作、例えばmicroSDをフォーマットしたいなんて場合はmicroSDのアイコンを長押しでタップするとメニューがポップアップします。その他にもPhotosのサムネイル画面で画面タップするとやはりメニューがポップアップしたり、いろいろなアプリにポップアップメニューが埋め込まれています。
今までのS60の操作に慣れていた人やヘビィユーザの中には戸惑いを感じる人もいらっしゃるようですが、平均的なユーザはタップ中心かつシンプルな携帯電話的な操作が出来るようにという配慮ではないかと思います。

・タスクマネージャの強化

マルチタスク機能の使い勝手はSymbianがライバルたちを上回る良点です。従来通りメニューボタン長押しでタスクマネージャが起動することは変わりないですが、横一列に現在起動中のアプリが表示され、表示出来きれないものはウィンドウをスワイプすることにより横方向に遷移していきます。視覚的に非常に分かり易いですし、タッチオペレーションらしいUIになりました。×を押すことによりタスクを終了することも出来ます。

・キネティックスクロールの拡大
Symbian^1端末ではキネティックスクロールはサポートされおらず、NokiaはN97向けの2.0にてキネッティックスクロールをサポートしました。今回はOSとしてサポート、サードパーティのアプリにも対応していますのでキネティックスクロールで動くアプリが拡大しています。ちなみにBestTaskManはキネティックスクロールで動作しています。

まだまだライバル達に比べるとスムーズさに欠けるところもありますが、ずいぶん軽く反応がよくなりました。細かいところの使い勝手もよく考えられており目的はかなり達成されていると言えるのではないでしょうか。
次は内蔵アプリケーションを紹介したいと思います。

【maemo】【N900】N900をアップデート

一昨日の夜はN900の最新アップデートが公開されたこともあり、一部は祭り状態でした。バージョンはPR1.3と呼ばれるもの。当然、私もアップデート。OTAではダメでしたがOvi Suiteからは行けました。
アップデート後の印象としてはWebが速くなったのと使うのが嫌になるくらい重かったメールがまともに動くようになったことですかね。
後は複数アプリを起動したとき重くなる現象が軽くなっている気がします。まあこれは感覚的なものですが。
もう一つ注目なのは、このバージョンにアップデートするとMeeGoとのデュアルブートに出来るようになるとの事です。MeeGoはmicroSDからの起動になるようですが、こちらも楽しみです。

【Symbian】【N8】N8奇跡の光景

先日、中国から一時帰国中の某氏の歓迎会という事で秋葉原に赴きました。参加者は予想を越えて10人以上とかなり盛大な会になりました。
予想を越えたと言えば当日集まったN8の数、何台かは集まると思っていたのですが蓋を開けてみるとなんと5台ものN8が。
黒×2、銀×1、緑×2、青とオレンジは遅れて出荷される為現状入手できるカラーバリエーションが全て集まったことになります。
世界的にまだまだ品薄なN8が5台も集まり正に奇跡の光景が成立することとなりました。

【Symbian】【N8】N8のフォント置き換え

現状でまず言えることは、香港版を買いましょうという事です。かなフォントの品質みたいなものもありますが、標準で不十分とは言えかな表示が出来、手書きで日本語入力が出来る香港版はお薦めです。
またcharconvの問題もあります。これはブラウザやメーラーで文字コードを判断して日本語を表示してくれるもので従来Nokia端末には含まれていませんでした。これを今までは+JやM-Charconvが補う形で日本語表示出来ていた訳です。英語版などではCharconvが含まれている保証は無く(怪しいなあ)現状ではアジア版を選ぶのが得策でしょう。
で、ここからが本題です。前のエントリで上げたとおり従来は良く行われていたFontRouterLTによる日本語化は危険です。無限ループに陥る事がNokiaのDiscussion Forumに報告されています。この為この方法はパスという事になります。
それで行うのがPsion時代からSymbianデバイスで行われてきた日本語表示の方法、外部メモリにフォント置き標準フォントを置き換えるというものです。
この方法を行うにはROMに焼かれた標準フォントを調べる必要があります。Y-BrowserをOvi Storeから導入します。
ZドライブのResource/Fontsの中身を調べます。
ちなみに香港版の内部は
nosnr60.ttf
nssb60.ttf
nstsb60.ttf
S60TCHK_C.ttf
S60SC_C.ttf
S60ZDIGI.ttf
です。

ここで変更したいフォントを用意し、
上記で調査した6つのフォントと同じ名前に変更しておきます。
Fドライブ(microUSB)になんでも良いのでアプリをインストールします。FドライブにResourceフォルダが作成されますので、ここにFontsフォルダを作成します。
通常はここで再起動すればフォントが置き換わるのですが今回はダメでした。私は偶然ソフトリセットを行ったらフォントが置き換わりました。
ただ、ちょっと失敗を。Settings/Phone/Phone management/Factory settingsでDelete data and restoreを選んでしまいEドライブ(Mass Starage)のデータを消してしました。プリインストールの壁紙や音楽データが入っていたのですが。。。
※Restoreではフォントは置き換わらずDelete data and restoreが必要になります。
そんなトラブルに基づいて
・Eドライブのデータはバックアップしておいて下さい
・Applications/Office/File Managerを起動しバックアップを取っておきます。
ただその上でFactory SerringsでRestoreを実行します。
ただ現状リセット後OviMapsがインストール出来なくなったり、Nokia Socialが出来なくなったりという不具合が報告されていますので現状標準のフォントで満足出来るならそのままでもいいかもしれません。
私はフォント置き換えでかなり満足度が上がりました。リスクもありますので自己責任でお願いします。

フォント変更後。フォントが変わると印象がかなり変わります。

【Symbian】【N8】N8ハードリセット

ぼちぼち購入者の手元に届こうかと言うときにいきなりこのネタですかという感じですが非常に重要な情報になりそうなので書いておきます。
まずFontRouterは絶対にインストールしてはいけません。端末が起動しなくなります。これはNokiaのフォーラムでも既に報告されていますので、絶対に行わないで下さい。
アプリの互換性については十分確保されているようですが一部のアプリにおいて不具合が発生する可能性があります。
そのような場合、最悪端末をハードリセットしなくてはなりませんので方法を書いておきます。
ハードリセットの方法は
メニューキー+カメラボタン+ボリュームキー下側+電源ボタン
です。

ただし、ハードリセット後Ovi StoreとOviMapsがインストール

【Symbian】【N8】N8の印象

まずパッケージを開けた時のライムの金ぴか?感に驚きました。Symbian Japan Forumの時に見てるはずなんですが、手にしてみると自分の記憶よりかなりゴールドっぽい感じです。傷が気になりますがこれはこれでいい感じ。
金属の質感もいいですね。アルミ製だそうですがやはりモックと違い高級感があります。ただE7はもっと高級感が有ってN8はアルミ板を折り曲げた感じ、E7はアルミから削り出した感じ、質感はいいですが重々しくない感じです。(重量って意味じゃないですよ。)

動作は軽くなりましたねえ。iPhone4やGalaxySの様な強力なCPUに裏付けされた速さには及びませんがするすると動作します。タッチの感度も良くなりました。感圧式から静電式に変わりましたのでタップの追随も非常に良くなって軽快に動作します。
基本はS60 5th EditionのUIなんですが、ホーム画面が3面になったり、タスクマネージャが改善されて視覚化されたり、画面長押しでメニューがポップアップしたり使い勝手の向上も図られています。

自慢のマルチメディア機能ですがカメラ機能はやはりいいですね。明るいレンズで広角なので非常に良い絵が撮れます。
明るいところだとNokiaらしいビビッドで色乗りのいい写真が撮れます。
HD動画もいいですね。動く被写体を撮りましたが映像の乱れも無くて非常に綺麗です。HDMIポートを通じてTVに出力してみましたが十分以上の画質を持っていました。十分カムコーダーとして利用出来ます。
動画再生も良くなりました。H.264、835×400、1500bps位のiPadでも視聴に耐えられる動画を再生可能です。
Webも非常にスムーズにスクロールするようになりました。速度もまずまずです。メーラーも使いやすくなりました。Mail for Exchangeも躓かずに設定出来ますし(笑)

ただし、悪いとこもありますね。ちょっと時折ぷちフリっぽくなることもありますし、相変わらず高画質なYouTubeを見る機能がなかったり、日本語入力の問題もあります。

この辺は今後のファームウェアやサードパーティアプリでの対応に期待するしかないと思います。

全体的には今までのネガティブな部分がかなり改善されて使い勝手が上がっています。iPhoneやAndroidのハイエンドデバイスを使っていた方には厳しいところもあると思いますが、Nokiaから乗り換える方は違いを相当実感出き良いデバイスに仕上がっている実感出きると思います。
この後は日本語化やソフトウェアについて書いていこうと思います。

【Symbian】【N8】N8フォトレビュー

今回購入したのは香港版のライムです。グリーンメタリックという感じのカラーでなかなかいいです。外観を中心に写真レビューをレポしていきます。

右側面です。左からカメラボタン、デバイスのロックキー、ボリュームボタンがあります。

左側面です。左側からmicroSDスロット、SIMスロット、microUSBポートがあります。microSDとSIMスロットにはカバーがありますがmicroUSBにはありません。バックカバーが無くなった為SIMスロットが外部に出てきました。

こちらが端末上部。左から電源ボタン、真ん中にHDMIポート、3.5mmのAVジャックがあります。HDMIポートは付属のアダプタケーブルを介してHDMIケーブルに接続しTVなどに出力します。

こちらが底面です。真ん中の穴はNokiaの細ピンの電源ポートです。実はmicroUSBポートからも充電出来るのですが、今回microUSBポートがホスト機能を有することになった事からそうした機器を利用中に電源を供給することを想定してるのかもしれません。

背面です。カメラの出っ張りが特徴的です。もう少し出っ張りをうまく処理してくれなかったかなと思いますが、まあ個性と言えばそうでしょう。今回バックカバーが廃止されたことにより簡単に電池の交換が出来なくなりました。

今回の最大のセールスポイントの一つのカメラモジュールです。12メガピクセルの高解像度とf値2.8の明るいカールツァイスレンズ、広角、また夜間に強力な威力を発揮するキセノンフラッシュと相当力の入った構成になっています。

SIMカードとmicroSDスロットにはプラスチック製のカバーが掛かってますがこんな感じです。開け方としてはmicroSDスロットを開けてからSIMという形になります。間違えてSIMを外さないための処置ですかね。

iPhone4サイズ比較。実は縦、横サイズはほぼ同じ、上から合わせてみるとぴったりです。

ただし、厚みに関してはN8の方がかなり厚いです。ただもった感じはiPhone4の様にエッジが立っていないので持ちやすいです。

以上ですが、今回は黒、シルバー、オレンジ、ブルー、グリーンの5色を用意してきてなかなか楽しいです。また金属を多用した外装も質感が高く所有する満足は高いと思います。
今後はソフトウェアや使い勝手を中心にレポートしていこうと思います。

【Symbian】【N8】N8来ました!

本日届きました。香港版です。これから充電して色々試してみようと思います!

【Symbian】Symbian Japan Forumに参加してきました

Symbian Japan Forumに参加してきました。SymbianはNokiaのOSというイメージが強いですが、日本ではNTT docomoがFOMAに採用し一大ベンダーになっています。 そんな日本の事情もあって開催されたSymbian Japan Forum、最新のOS Symbian^3やそれに続くSymbian^4の紹介。またdocomoや富士通のSymbianへの取り組みやデバイスメーカのSymbianの対応状況など興味深い話が聞けました。
特に驚いたのは現在日本では端末事業を行っていないNokiaが最新のSymbian^3端末の実機を展示していた事です。Nokiaの日本からのSymbianへのコミットの期待を感じました。それでは私が特に気になった部分について紹介していきたいと思います。

Qt(キュート)を強くアピールするSymbian
Symbianの開発環境として注目されているのがQtです。今後アップグレードが予定されているSymbian^4においてネイティブアプリケーションの開発環境となるQtの開発利点について強くアピールしていました。 従来のWINSCW(Win32エミュレータ)に代わり複数のOS(Windows、MacOS、Linux)をサポートするQEMUについても利便性がアピールされていました。

Qtの開発環境の紹介
Symbianで動作するQtのアプリケーションには以下のようなものがあり
C++Native
HTML/C++Hybrid
Qt Web Runtime
Qt Quick
これらを支える開発のツール類が紹介されました。

FOMAのオペレータパック導入に伴う開発環境の紹介
従来Symbianを利用したFOMA端末はミドルウェアのみを共通化し(MOAP(S))その上に独自のUIを構築してきました。この為オペレータの対応の独自部分の切り離しが難しく海外進出の妨げになってきました。オペレータパックはSymbianOS上にキャリア独自のオペレータパック部分とグローバルアプリと呼ばれるネイティブなアプリケーションを並列に実装出来るのでハードウエアを共通化したまま海外への展開も可能になります。夏モデルからの富士通端末にはオペレータパックが導入されているそうで開発環境の紹介がなされていました。 Symbianを利用した富士通製のスマートフォンの計画もあるようです。こちらはグローバル向けの様ですが日本でも発売をして欲しいものです。 またSymbian^3が動作する実機の展示(通常の富士通の端末)やCEATECHでも話題になったダブル画面の端末なども展示されていました。(Symbian^2、UIはサードパーティの独自のものだとか。)

NokiaはSymbian^3搭載の最新端末を展示
当日はN8が公開される事は事前のアジェンダから分かっていましたが、C6-01、C7、E7などの発売前の(C7は出荷が昨日始まったそう。)端末が公開され、自由に触れるようになっているのは驚きました。 一部の海外メディアの厳しい評価にちょっと心配していましたが、実機に触ってみるとなかなかサクサク動作します。ワンクリック操作やスムーズなスクロールなどUIの改善も見られて非常によく仕上がっています。 意外と良いと思ったのがC6-01でややもっこりしたスタイルですが、低価格機とは思えない金属が多用されたコンパクトな端末で非常に気に入りました。 そしてE7の期待に違わぬ質感の高さ、薄くしっかりしたアルミ筐体は正にフラグシップに相応しい。HDMIポートからTVに出力するデモを行っていましたが十分に高画質でドルビーサラウンドの音質も抜群これはNokiaファンなら絶対に行くでしょという仕上がりになってました。 キーボードはN97によく似たタイプのものですが、やや安っぽい感じのしたN97に比べ押し心地は非常に高品質なものをいじっている感じがしました。 非常に打ちやすいキーボードでした。


オムロンの日本語入力環境
Symbian^4に於いてはオムロンの開発するWnnが標準の日本語入力として採用される方向だそうです。OpenWnnの変換エンジン及び入力システムをSymbian Foundationに提供するとのこと。また商用のIMEをデバイスメーカ向けに提供。気になるFEP単体での提供ですが前向きに検討とのお話をいただきました。

他にも気になる事項はいろいろあったのですがこの辺で。しかし感じたのはdocomoや富士通のSymbianへの強いコミットが感じられたこと。特に富士通にはNokiaと並んでSymbian Foundationを支えて行こうという強い決意が感じられて非常に頼もしく感じました。 E7やN8も触れて大満足の一日でした。

【Symbian】【N8】N8がUSAで販売開始

N8の発売がNokia USAのオンラインストアで開始された模様です。まずはプリオーダー分の出荷のようです。世界で最初に出荷されたのはアメリカという事でいいんでしょうかね。
Nokiaが北米市場に力を入れるのは理由が有ります。北米でのNokiaのプレゼンスは大きく低下しており、大躍進しているサムソンやLGに比べもはやその他メーカの扱いになっています。また現在のスマートフォンのトレンドはWebサービスを如何に端末に取り込むかになってますが、Facebook、Twitter、FourSquare、Googleの各種サービスなど北米発のものばかり、これらのサービスがなかなかNokiaの端末に対応しないのも北米のシェアが著しく低下しているからでしょう。北米でのシェア獲得もNokia復活の条件の一つになると思います。
香港の発売は11月3日に決まったようでアジアは若干遅れるのかもしれません。
正式に発売が開始されたということで来週あたり、オンラインショップやオークションにぼとぼちN8が登場するのではないでしょうか。当面は品薄でしょうから高値での取引が予想されますがなんと早めの入手をしたいものです。