【Nokia】【Android】Nokia Android5.0Tablet N1を発表

11月19日追記しました。

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この発表を驚きを持って受け止めた人は多いんじゃないでしょうか。NokiaはTwitter上で携帯電話ではない何かのティーザーを公開しており、AppleTVを黒くしたようなデバイスの画像からセットトップボックスではないかと言われていました。
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この予想を覆す形で発表されたのはAndroid5.0を搭載した7.9インチのタブレットデバイス。一体あのティーザーはなんだったんでしょうか(笑)そしてもう一つ我々の意表をついたのがその筐体デザイン。どう見ても某社のデザインに強くインスパイアされたデザイン。某社というのはま、Appleなんですが(^^;正にiPhone6Plusをタブレット大に引き伸ばしたデザイン。Nokiaは時折、他社のデザインにインスパイアされたデバイスを発表しますが、それでもNokiaらしさ的なものは残していました。しかし、ここまでまるまるコピーしているのは珍しい、リンゴマークが付いていたら誰もがApple製品と思うデザインです。
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どこからみてもApple製品のそっくりさん(^^;

正直、なぜNokiaがこのデバイスを市場に投入するかがよく分かりません。4月にMicrosoftに携帯電話端末事業を売却して間もないというのもありますが、現在のNokiaの主業は携帯電話基地局などのインフラ事業、地図やカーナビなどの位置情報サービス、そして知的財産の管理やライセンスを行う事業です。このN1が携帯モデムを内蔵せずWiFiのみということになれば基地局事業とのセットとしての投入ということも考えにくいことです。
まずは春節に合わせて来年の2月に中国に投入され、その後ロシアでも販売されるとのことです。
落ちたりとはいえまだブランド力の残る中国やまだまだ強いブランド力を残すロシアならビジネスとして成功できるという読みなのでしょうか。
この8インチタブレットカテゴリはライバルも多く激しい競争が行われている市場です。ここでの成功は難しいというより、かなり厳しいものになるんじゃないでしょうか。

このN1の面白いのはCPUにAtomを使っていること。Lumia2520の開発と並行してAndroidタブレットの開発もしていたのかなと思いましたが、よく考えたら2520はSnapdragon、初代Nokia NetbookのBooklet3Gの流れを組むデバイスとなるのでしょうかね。
Android5.0にNokia独自のソフトウェアを搭載されるとのことですが、すでにGooglePlayで公開されているNokia独自のラウンチャーアプリZ launcherが搭載され、背面カメラがプロモーションビデオで紹介されていたことから画像処理系のアプリ( Microsoftの関係上Scaladチームのアプリが乗るのは微妙かも)が搭載されるのかもしれません。

Nokiaの現在の事業形態から言って今回のようなタブレットデバイスを出すなら当然事業の一つの核であるHERE Mapsが搭載されるでしょうが、これを利用したカーナビゲーション用途などを前面に押し出したら面白いデバイスになるかもしれません。
もちろん、カーナビになりますだけでは弱いので車と連携出来るなにかもう一捻りあればもっと強くアピールできるでしょうけど。ま、現在の発表の内容では妄想の域でしかないですが普通のタブレットなんでしょうね。

今回の筐体デザインはMicrosoftの関係もあるのでしょうがポリカーボネイトユニボディの2520が商業的に成功しなかったというも影響しているでしょうね。だからと言ってAppleのそっくりさんデザインを採用するというのはかなり残念な行為で、最終的には凡百のタブレットの中に埋もれていってしまうんじゃないでしょうかね。

【追記】
NokiaがN1を投入する理由が分からないと書きましたが、こちらのななふぉさんの記事を読んで自分なりに納得のいく答えを見つけられた気がします。

Nokia N1でノキアブランドが復活した理由とは?

ノキアの説明によれば、Nokia N1はこのスキームに基づいた製品となるです。ノキアによる端末の工業デザインや、独自のランチャーなどのソフトウェア、特許やロゴなどを含むとみられる知的財産について、OEMパートナーにライセンス供給します。

 そのOEMパートナーは、端末の製造や販売、カスタマーサポートなどの端末事業全般について、責任を追うものとされています。

とあるようにNokiaは金融イベントでノキアブランドをOEMパートナーに積極的にライセンスしていく方針を示しました。金融イベントといえばNokiaがスマートフォンプラットフォームを一新しWindowsPhoneに乗り換えるという衝撃の発表をしたことが思い起こされます。この金融イベントで発表された戦略に基づいて元CEOのエロップさんがNokiaの運営を行っていったことは記憶に新しいところです。これは投資家への重い約束であり、あまりにもこの戦略に忠実であったためにエロップさんは投資家から多様な選択肢を試すべきだと突っ込まれていたくらいです。

こうなるとN1の意味合いも違ったものに見えてきます。OEMパートナーはiPadのようなタブレットデバイスを市場に投入したい、それに対してNokiaはNokiaのブランド名や特許、製造技術、もしくはZ Launcherなどのソフトウェアをライセンスします。これらはNokiaの現在の3本柱の事業である知的財産のライセンスや研究開発と合致し少しもおかしなことではありません。
また、なぜNokiaらしからぬAppleそっくりさんデザインを採用したのもOEMパートナーの要望とすれば合点がいきます。

OEMパートナーが端末の製造や販売、カスタマーサポートまで行うというのがN1というデバイスの本質を表しており、N1は”Nokiaのタブレット”というより”Nokiaの名前がついたタブレット”ということなのでしょうね。言い方は悪いですがこれはブランドの切り売りとも言えます。

Microsoftへの携帯電話端末事業の売却でNokiaはブランドも商品として売れるということに気づきました。Nokiaのコンシューマ市場への再参入という人もいますが、実際はBtoBビジネスの範疇となっており、長期的に見れば今回のApple模倣デバイスの投入のような出来事はコンシューママーケットでブランド力を低下させていくことになるのではないでしょうか。
そういう意味でNokiaは投資家の支持を得るために売れるものは売るという戦略を実行しただけで逆に自らコンシューマ市場への再参入には消極的で、その可能性は逆に低下したのではないかと思います。

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