アーカイブ : 2014年 5月

【MeeGo】【Jolla】QWERTY OTHER HALFレビュー

Unlikeをキャッチコピーとして掲げるJolla。他と似ていないことを重視するそのポリシーを象徴するのが”THE OTHER HALF”と呼ばれる背面カバーです。
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Jollaがハードウェアを発表した時にTHE OTHER HALFも合わせて発表されました。ただ、色とりどりのカラーに塗られた背面カバーが紹介されただけでMarc Dillionの説明するTHE OTHER HALFのコンセプトは非常に分かり辛いものがありました。装着したTHE OTHER HALFのカラーに合わせて端末UIのアピアランスが変わる程度のものであり大したものではないと思っていました。
実際はJollaはI2Cというシリアル通信が可能となる端子を有しており、各種センサーや基盤などを接続する事が出来ます。THE OTHER HALFとはI2C端子を介してJollaにハードウェアを接続するものであり、既にJollaは開発者キット提供しています。ワイヤレス充電や太陽電池、LEDイルミネーションなどが有志によって製作されており、QWERTY OTHERHALFもそうしたプロジェクトの一つなのです。
QWERTY OTHERHALFのプロジェクトはNokia Mobile Linux(Maemo)の名機N900のキーボードをJollaに装備する事を目的として立ち上げられ75台の先行試作品が製作されました。今回は運良くその1台を入手出来たと言う訳です。
それではQWERTY OTHERHALFを紹介して行きたいと思います。

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QWERTY OTHERHALFです。お世辞にもビルドクオリティが高いとは言い難いです。なだらかな曲面を持つTHE OTHER HALF(背面カバー)に比べてかなり角張っています。

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スライドキーボードを引き出してみましょう。ある一定の力を加えるとバネの力でせり出すタイプです。ただしビルドクオリティが低い事もあって真っすぐキーボードがせり出さない場合もあります。

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キーボード自体は意外と(失礼)しっかりした作りで、クリック感もあります。どうやらMotorola Droid4からのパーツ流用のようです。

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キーボードと本体側のカバーを繋ぐ部分には金属製のしっかりしたヒンジがあります。このキーボードはチルト方式になっておりスライドするだけでなく、液晶分に角度をつける事が出来ます。

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背面をみてみます。金属製のしっかりしたシャーシがあり、キーボードのスライドと本体とキーボードを接続する事が大きな役目となっています。

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本体カバー部分はこのように垂直まで立ちます。

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底面はこんな感じ。気付いた人がいるかも知れませんが、これだとカメラが使えません。

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さて、QWERTY OHをJollaに接続してみましょう。非常に厚みが増す事になります。また、QWERTY OHの側面をみると3Dプリンタで作成した時に見られる積層構造が確認出来ます。3Dプリンタで打ち出した造形物をそのまま使用していると言う事ですね。

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キーボードを引き出してみます。かなりのトップヘビーになりすが、両手持ちで親指タイプも可能です。

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チルトさせてみます。ヒンジに全く不安はなくきちんと角度を保ってくれます。

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横から見るとこんな感じです。

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文字を打ち込んでみます。そのままでは利用出来ないようでRPMファイルを3つほどインストールして利用します。アルファベットは問題なく入力出来ます。数字や記号もキーボードの表記通り正しく入力出来ます。数字や記号の入力はAltキーを押しながら該当するキーを押します。
ただし、現状では日本語IMEとの連携が無く、アルファベットの入力だけが出来るのみです。

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カメラの使用はこのようにキーボードを引き出した状態でやります。

クオリティの話をしましたが、それは評価すべきものではないと思っています。あくまでも3Dプリンタを利用したプロトタイピング。少量生産のハードウェアを利用してリスクを最小限に抑えた上でテストとビジネス成立の可能性を探ることが目的で製品を売るというのは現状は重視されていないからです。
先に述べた通り、現状では日本語入力が出来ないため実用性はありません。ただし、プロジェクトのフォーラムでは”Jollaは我々のハード(QWERTY OH)を繰り返しテストしており。将来的に対応を行ってくると思われる。”とのコメントがあり将来のSailfishOSのアップデートで日本語の利用も可能になるかも知れません。

それでは、QWERTY OTHER HALFの将来の日本語対応を願ってレポートを締めたいと思います。