アーカイブ : 2019年 3月

【Android】【Nokia 9】Nokia9 PureViewフォトレビュー

君はPureViewを知っているか(笑)
PureViewはNokiaのイメージング技術の総称のこと。この名称が最初に用いられたのは4,100万画素の光学センサーを搭載する808PureView。今でこそハイアマチュア向けの一眼レフやミラーレスカメラで4,000万画素クラスの光学センサーは珍しくはないが、当時はこうしたハイアマチュアクラスのレンズ交換式カメラでも16,000万〜2,400万画素が最高画素数だったこともあり、大きなインパクトを与えた。ただし、搭載された4,100万画素の光学センサーは単純に高画素の画像を撮影する目的ではなく、画質向上のために使われた。光学センサーは1画素あたり一つの色要素しか持たないため、輪郭や色境界の破綻が起こり、これが疑色や色にじみ、輪郭ボケによる先鋭感の喪失を招き画質を低下させる。これがいわゆるベイヤー問題だ。
この解決策として潤沢な画素数を利用し、複数の画素から色や輪郭の最適解である1画素を作り出す、いわゆるオーバーサンプリング技術。これをNokiaはPureView-TECHと名付けた。
その後、暗所の画質向上などもPureViewの1機能として位置づけられNokiaのイメージング技術の総称のようになっていく。Nokiaの端末事業のMicrosoftへの売却に伴いNokiaのブランドと共にPureViewもMicrosoftにライセンスされたが、以降PureViewの名称は使い続けられたもののNokiaブランドは封印されMicrosoftに置き換えられる。元従業員に寄るHMD Globalの設立による携帯端末としてのNokiaブランドの復活。Microsoftのライセンス供与満了によるNokiaブランドスマートフォン製造制限の解除。そしてNokiaのもう一つのイメージング技術を標榜する光学技術のブランドZEISSの復活を経てPureView再登場へのお膳立ては全て整った。かつてスマートフォンのカメラとしては最高画質を誇ったNokiaだが、スマートフォンのカメラは着実に進化を続け、現在の主流はファーウェイに代表されるような複眼カメラの時代になった。複眼カメラ主流の時代の画像処理技術はオーバーサンプリングではなく、異なる露出の画像を合成するHDRでありPureView-TECHとの技術的な継続性はない。その中でPureViewという名前が再び市場にインパクトを与えるためには、今回の5眼カメラのような尖ったハードウェアの採用が必要だったのだろう。

て、今回もなげーよの本題に行かないいつもの展開。この後は写真が多くなるので大丈夫です(笑)

今回はアメリカのB&Hより購入。3/6に注文し、プリオーダだったのでくるのは1ヶ月くらい先かなと思っていたら。。。3/11到着(笑)

簡単にスペックを紹介すると

・スクリーンはペンタイル有機EL 5.99インチ 1440 x 2880ピクセル
・155 x 75 x 8 mm、172g
・Snapdragon845 RAM 6GB 内蔵ストレージ 128GB
・Android9
・TA-1082 シングルSIM国際版

といった所、CPUがSnapdragon845であることを2019登場のフラグシップスマートフォンとして物足りないとする声もあるが、カメラの開発に大きな時間を要したため855が間に合わなかったという推測をするところもある。HMD Globalの誕生から常にカメラに特化したハイエンド機Nokia9の噂が囁かれていて、そのような経緯もあるだろうなということは想像される。


パッケージはNokiaの過去の製品を思わせるもの。シェイクハンドもConnecting PeopleのNOKIAのまま。


付属品もシンプル。ACアダプタにTYPE-CのUSBケーブル、TYPE-C USBと3.5φオーディオプラグ変換コネクタ、ステレオヘッドホン、クイックガイドと保証書、SIMカードスロット抜き出しのツールと最低限。


特徴的なのはやはり背面。取り敢えず7つのカメラ関連の穴はインパクトがある。そしてお馴染みのNOKIAロゴとandroidoneの文字も見える。


複眼カメラ部分のアップ。カメラを上側にした場合、7個の穴の中で真ん中縦の3個と最下部の両側2個のグレーの縁取りが着いたものが5つのレンズになる。2個はカラー、3つはモノクロだという。内部が白く見えるのと黒いのはそれぞれフラッシュと距離測光用のセンサー。レンズは28mmの広角、f/1.8、12Mピクセルと現在では飛び抜けて凄い性能ではない。解像度よりダイナミックレンジ(HDR)を重視した仕様であることが分かる。
従来の10倍の明るさの写真が撮れるとか、10倍の光が取り込めると書いているところがあるが。。。何言ってるか分からない(笑)5つのカメラが露出を制御することによって単一センサーより10倍の光を取り込めるということらしいが、HDRを利用して従来だと10倍の明るさを持つレンズでないと撮れない画像が撮れるだろう。(相当盛っていると思うが)レンズの明るさはレンズ口径と焦点距離で決まるため、より大口径のレンズが必要なのである。


筐体は金属とガラスのハイブリッド。この通り写り込みが激しいので写真を撮るのには苦労した。ボディカラーはミッドナイトブルーと濃青色1色だがとても美しい筐体で品質も高い。HMDにはフォックスコンの関連会社が多額の投資をし設立された経緯もあり、流石Appleに鍛えられているだけのことはあるという感じだ。重量は172gとやや重めだが重量バランスも関係しているのかスペックほどの重さは感じない。


筐体下部に目を向けるとTYPE-C USBポート、マイク穴。なんとストラップホールが着いている。


上部にあるのはSIMトレイくらい。


右側面には電源ボタンとボリュームキー。カメラを標榜する端末でシャッターボタンが無いのは残念な気がする。


左側面はクリーン、ボタンやポート類はない。


正面上部には20MPのフロントカメラ。スピーカや照度センサーなど。流行りのノッチではなく、少し狭めのベゼルとなっている。


SIMトレイを抜き出してみた。押し込んで嵌めるタイプ。


今までHMD製のNOKIAスマートフォンは日本語ロケールが入っておらず、ロケールの追加も面倒だから英語UIのまま使おうかなんて思ったが日本語ロケールはちゃんとありました。これは何気に嬉しい。


写真のサンプルを。こうした小物を撮って感じるのはピント精度が高い。色味も自然でHDRを重視していると書いたが、12Mピクセルという画素数から想像されるものより解像感も高く、十分以上に感じる。今後はカメラの比較なども紹介していきたい所だが。。。いつになるやら(^_^;
期待しないでお待ちください。