【Symbian】【S60】SymbianOS^4に見るSymbianOSの未来

少し前ですがall about SymbianにSymbianOSの未来に関する重要な記事が載りました。これは現在のS60 3rd Editionや5th Editionとアプリケーション互換性を損なうメジャーアップデートであり、UIそのものも大きく変わる可能性を秘めています。
モバイル分野のOSは競争が激しく、iPhone登場以降各携帯電話ベンダーがUIに工夫を凝らし激しく競争を行っています。タッチオペレーションデバイスの市場投入にやや遅れをとったNokiaはS60 5th Editionを投入しましたが、非タッチデバイス向けS60の改変で有るが故にタッチオペレーションデバイスとしては中途半端な面も多く、商業系サイトの中には厳しい評価を下す所も無い訳では有りません。
そうした声に付いてはNokiaも十分承知しているのでしょう。オープンソース化されたとは言え、事実上の支配下にあるSymbianに大きなてこ入れとして子会社であるQtの資産を組み入れようとしたのが今回の顛末だと思います。
all about Symbianの記事の日本語訳をしながらSymbian^4におけるSymbianOSの変更と進化を考察して行きたいと思います。

相変わらずの下手な訳で、超意訳、誤訳満載だと思いますがそれは皆様で補完しながらお読みください。
以下記事の日本語訳になります。

ここ数日注目すべきコメントがあった。様々なメディアチャンネルで。Symbian^4の公開にいくつかの変更がなされたと紹介された。互換性の後退を意味するAVKONの退役の予定と今後の導入部が含れる。Symbianの開発者への変更に対するコミュニケーション開始と新たなオンライン上の議論をみれば、これは再度着目すべき項目であり、さらに細部を読みこむ必要がある。

手短かに言えば、Symbian^4で新しいUIの導入が行なわれ、互換性の消失という結果を生むということである。最初のSymbian^4デバイスは2011年の早い時期に出荷される。
概して一般消費者には良いニュースだ、ただしデベロッパには悪いニュースである。しかしこの要約はいくつかの重要な意味を無視している。

Qt、Orbit、DirectUI
我々がSymbian^4について書いた最新の記事によれば、3つの鍵となる提案と結びついている。Qt、Orbit、DirectUIである。
これは既にSymbian Faundationの機能及びロードマップの決定事項として表明、承認されているものである。
Qtはアプリケーション、グラフィックスのフレームワークとして広く様々なプラットフォームに使われている。これはモバイル特化のOrbitとタッチに特化したDirectUIを動かすエンジンを利用出来ることになる。
併せてSymbian^4の進化による3つのコンポーネントが新しいアプリケーションのフレームワークとUIレイヤーを提供し、AVKONを置き換えることになる。
Qtは戦略的なNokiaのプラットフォームの心臓部になる。これはデスクトップアプリケーションのみに使われるのではない。maemo6の基本的なアプリケーションフレームワークとして使われる。クロスプラットフォームであるアプリケーションフレームワークは経験豊富なデベロッパには明白な優位をもたらす。
Orbitはモバイル向けにデザインされた50以上のUI Widgetを含むQtの拡張ライブラリである。Orbitはタッチと非タッチデバイスの両方で使える能力を持っている。有効性として、OrbitはUIの拡張性を持つQtを提供する。これらはモバイルデバイスの利用を最適化する。Orbit Widgetはスクリーン上に見える"要素"である。(例えばステータスバーの様な。)これらはUIを形成し、現状のAVKON Widgetを置き換える。
Orbitの優位性の鍵はより良いスクリーン資産の利用が行えることである。これらは賞賛される(デザイン)機構やより直接視覚に訴ったえる機構などを提供する。(例えばOptionの下に隠れているものが少なくなるような。)
DirectUIに於ては相互作用と操作のロジックがカプセル化されている。指での操作/タッチ操作に最適されたスクリーンレイアウトもいっしょになっている。

互換性の破棄
互換性の破棄はOrbitの追加によりなされていて、Qt自身によるものではない。Qtは既にプラットフォーム(Symbian^1)のruntimeとして利用可能であり、引き続きSymbian^2とSymbian^3でも採用される。(ここでプラットフォームと共に出荷される。)
互換性の破壊はUI(AVKON)に影響のあるAPIの提供を行う。それらは新しいUI(Qt/Orbit/Direct UI)の為の同等のAPIによって置き替えられる。開発者はその結果、彼らのアプリケーションのUI要素を書き直す事を要求される。Symbian APIの大多数がAVKONとの互換性を失ない、結果として効力を失なう。それら(新API)は以前の(OSの)ものと等しく利用可能である。これらが意味するのは、互換性の破棄の重要性は過小評価されていないという事だ。全てのネイティブアプリケーションは、Symbian^4の為に少なくとも部分的に書き直さなければならないという事になる。
しかしながら、互換性の破棄が唯一与えるものに注目しなくてはならない。開発者が利用するWRTやFlashなどのruntimeが成立しない点である。これらのruntime機能の追加が提供されるアップデートが行われるまで、旧来の(APIの)サポートがフルに行われる事になる。これが意味するのは、例えば現在あなたが書いたWRT WidgetはSymbian^4で書き直す必要が無いということである。
いくつかの互換性の破壊は開発者に害をもたらすが、SymbianのUIレイヤーの進化は疑問の余地が無いものである。AVKONはそもそも非タッチスクリーンのキャンディバー形携帯電話の為に設計されたものであり(部分的には未だ優れている。)、別の部分は拡張されている。これらの柔軟性は優れているが(内包されているのはデバイスの範疇と考えられる。)、完璧ではない。UIの問題はE90に於て見られ、S60 5th Editionのタッチデバイスではより顕著に見られる。デバイスとプラットフォームの競合、iPhoneとAndroidの様な、に於て関連する意見を形成する役割を演じさせられる。同様にデバイスの機能の進化は増加の一途であり、AVKONの元々の開発者の想像を越えている。
後進的な互換性維持の優位性は明白である。しかしながら、時間とともに"遺産"の維持による不利な点が重く頭上にのしかかって来る事になる。そこは確かに公開の討論で陥るポイントだ。(一般的にコンシューマは早い変革を望み、プラットフォームのコード資産を造ってきた開発者は存続を希望する。)この問題は全てのソフトウェアプラットフォームに必ずある側面で、特に複数の市場のセグメントと変化の激しい業界を牽引しようとすれば尚のことである。

AVKON=のろま?そんなに速くない!

それではAVKONは死んでしまった?いいえ、それは事実ではない。まだです。Symbian Foundationはたった今、未来に起きる出来事を開発者に説明する努力を開始したところだ。最初のSymbian^4デバイスは2011年の初頭に市場に登場するはずだ。この点においては、非タッチデバイスはAVKONが使い続けられるという事である。AVKONは将来どこかのポイント(Symbian^5もしくはSymbian^6)でフェーズアウトするだろう。しかし、これはまだ決定事項ではない。
AVKONが終了する期間の途中において(製品のライフサイクル期間が終った後でも)AVKONデバイス(Symbian^1、Symbian^2、Symbian^3)は出荷が続けられる。大まかに見積って1億台(前の四半期は1740万台)の出荷が見込める。現存のインストールベース(225百万台)だけでも有望なマーケットである。AVKONは終焉への過程でも進化を続けていくことになる。Symbian^2において位置情報をトリガーとするものやWidgetがベースとなるホームスクリーンの標準化が含まれ、Symbian^3では先進的なレイヤーや効果の為のグラフィックスのサポートを含む。(かねてからScreenPlayとして知られているものだ。)
あまりにも遠い先のことを得ないという事は重要である。その理由はSymbian Foundationの開放とそれに纏わる来たるべき変化に対するコミュニケーションと議論に対する欲望について聞いたからである。開発者は未来のために計画に従うだろう。これらはSymbianOS9のバイナリの互換性破棄と完全に対照をなしている。OSが公表されて1年の間コミュニケーションが無く、Nokia3250が出荷された事があった。

ここまで

以上の点からポイントを纏めると
・Symbian^4にはQt、Orbit、DirectUIという新たな3つのコンポーネントが提供され、これにより新しいアプリケーションフレームワークとUIレイヤーが提供される。
・S60だけでなくmaemo6にも同じAPIが提供され、開発者は両方のプラットフォームのサポートの負担が軽減される。
・これにより現行のUI、AVKONのAPIは置き換えられアプリケーション互換性は失われる。これにより開発者はSymbian^4においてアプリの書き直しを義務付けられる。
・非タッチオペレーションデバイスに付いては引き続きAVKONが利用されるが、将来的にはこちらも置き換えられる。
・AVKONが将来的にフェードアウトする既成事実は有るものの、今後も利用が続けられる限り進化の手は緩めない。

UIについては、Qtの採用・非採用に関わらず今後も変わって行くのだと思います。S60 5th EditionはOSの進化の過程に有り、今後もSymbian^2や^3においても改良が加えられて行くと思います。一方でS60 3rd Editionについては機能の追加やホームスクリーンWidgetの採用などにより、表層のUIがやや華美になることは予想されますが、基本的なUIは大きく変える事は無いのではないかとも思っています。S60はNokiaの新UIとしてまずは先鋭的なユーザに提供され、徐々にバリエーションを増やすごとに一般化され、現在はSeries40にもほぼ同等のUIが採用されています。いわばNokiaUIとも言うべきもので世界中のNokiaユーザがこのUIに親しんでいるという事実が有ります。ESeriesや非タッチオペレーションデバイスは大きな内部変更を受けたとしても、表層のUIは比較的小変更となるのではとも思っています。

Qt on a Nokia N97 – "Tower" preview. With Webkit!

おまけとしてN97で動くQtです。とても売り物のレベルではありませんが、タッチに特化したUIとスムーズな操作は注目すべきものが有ります。

まあ、今後もSymbianOSの進化には着目したいし、Nokiaのみならず他の携帯電話メーカーの端末にどのように採用されて行くかも着目したいですね。

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