【Service】ガラパゴス

WILLCOMから新しいスマートフォンが発表されました。Bluetoothやワンセグが標準装備されたり、小型軽量化、より携帯電話に近い外観やユーザインターフェイスが搭載されるなど非常によくなっている感じで、W-ZERO3から始まったWILLCOMのスマートフォンも一応の一つの完成を向かえたという感じでしょうかね。
タッチセンサー化されたキーパッドとナビキーは不安要素ではありますが(確かにdocomoのチョコレートなどフィーリングは今一だった。)小型化にかなり貢献していることも確かで単純に否定は出来ませんね。当然使いやすいのが一番なのですが。
実はこれって海外の方が正当な評価を得るんじゃないでしょうか、どのスマートフォンにも似ていませんし、つくづく3G/GSMだったらなあと思わずにいられません。

さて、本題はタイトルのガラパゴス。WILLCOMの次世代PHSがモバイルWiMAXとほぼ同じ様な仕様となっており、WiMAX亜種とも言える規格だという事は前にも書きました。WILLCOMはネットワークを異業種に開放することで、オープンを強調しているようですが日本以外で普及するとは思えず、やはりガラパゴス市場の規格というしかないと思います。
もしかしたら、IntelのCPUに統合される(と思われる)WiMAXに期待してのことだと思いますが、日本独自の高機能ハンドセットを高々数百万のユーザの為に作ってくれるメーカがそれ程多くいるとは思えず、日本メーカや海外メーカの日本法人がWiMAXノートPCに独自のファームウェアやデバイスドライバを導入して対応する位が良いところじゃないかなと思います。
ただし、速いということはやはり一定の正義があるわけで、日本(キャリア)独自規格のどこが悪いんだという議論はあると思います。LTEが100Mbpsの速度を得るためには、相当の期間を要すると思います。日本ではまだしも、海外ということになれば未だに途上国などでは2Gのインフラが主流で、HSPAに関しても先進国の大都市部で普及しているに過ぎません。
ノキアと言えばN95やE90の様なハイエンドのスマートフォンを思い浮かべるのかもしれませんが、大半は低機能な2Gが販売の主流です。日本のような全ての端末がハイエンド機なんていう国は世界的に見たら異常なのです。
そういう意味で言えば、LTE陣営が長い進化の歴史を繰り返して100Mbpsに到達する前に再び高速定額通信でトップに躍り出てシェア拡大を狙うと言うのも一つの戦略と思いますが、いったい何時、どの規模で、どのような料金で、どの様なサービスを展開していくかが重要になってくると思います。
サービスは大規模で、安価で速やかに開始と言うのが理想ですが、当初は大都市部を中心としたデータ通信が主流となるのではないでしょうか。PHSは現状、低速なISDNをバックボーンにしていますが、バックボーンインフラの問題はどうするのだろうとか、全く互換性の無い規格で現状機器のリプリレイスメントになりますが、基地局スペースの確保はどうするんだろうとか、色々疑問はあります。
イーモバイルのような高速で安価な強敵が生まれて来た今、このままではジリ貧になるのは目に見えていますが、多額の設備投資を行ったうえで現状の料金体系の維持は難しいでしょうから、数十メガバイトと言う高速通信にユーザがどれだけ魅力を感じてくれるかでしょうね。
世界の標準的な規格と互換など無くてもよいというのも一つの考えだと思います。高い安いじゃなくて、かかる費用にユーザが納得してビジネスとして成り立てばいいのですから。ただ一方で、通話部分は現状のPHSを維持しながら、標準的なモバイルWiMAX採用じゃ駄目なんですかね。そうすれば選択肢はかなり広がると思うのですが。

2.5メガの認可についてはその決定の経緯は不透明なものの、限りある貴重な電波です。ぜひ成功してもらいたい。
例えそれがガラパゴス島の最後の突然変異だとしてもです。

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