【MeeGo】【Jolla】MWC 2017のJolla

xperia
元Nokia従業員達によってMeeGoの開発継続を目的として設立されたJolla。今年もMobile World Congressに出展しました。モバイル市場を独占的に支配する既存OSの代替手段として、第3のOSと呼ばれる勢力がいくつか存在しましたが泡末のように消えて行きました。その中で存在自体が奇跡とも言えるJollaがしぶとく生き残っていることは興味深いことです。

MWC2017においてのJollaは挑戦の年を経て強者への転換を目指し下記のような発表を行いました。

・SailfishOSの開発を行う中国のコンソーシアムとライセンス契約を結む。コンソーシアムはOS開発に2億5000万ドルを投入。
・SonyのOpen Device Programを利用して、開発者コミュニティーにXperia上で動作するSailfishOSを提供する。
・ロシアのOpen mobile platform。
・新たなパートナー企業であるJalaの参加。

注目すべきは中国のSailfishOS開発コンソーシアムへのライセンス契約です。Androidの代替OSの提供というだけではなく、先のロシア政府より公的機関や企業で利用するモバイルOSとしての認定を受けたと同じく、中国でもSailfishと互換性を維持したOSの共同開発に当たるためでもあります。単純なモバイルデバイス向けの用途というだけでなく、TVやIoT、スマートウォッチ、ホームエネルギーマネジメントなど様々な応用分野への進出にも期待しているようです。
また、AlibabaやBaiduなどのサービス分野で既にプラットフォームを確立している巨大企業の対抗馬にプラットフォームを提供するため交渉を開始しているようでこちらでも成長が見込めそうです。

また、開発者向けにSonyのOpen Device Programを利用して開発デバイスを提供することを考えています。Jollaは昨年、開発コミュニティ向けに第3のデバイスJolla Cを投入しましたが、1,000台限定と決して十分な供給とは言えませんでした。オープンプラットフォームを標榜するJollaとしては開発者の協力がプラットフォームの発展には最重要事項であり、広く市場に供給されている大手ベンダーのデバイスを利用することは非常に賢いやり方です。OSの提供はXperia Xという比較的ハイスペックな端末を対象としているためSailfishファンを喜ばせる副次的な要素も期待できるでしょう。

ロシアのローカルパートナーであるOpen Mobile PlatformのOS開発は順調なようで、ロシア初のSailfishOSデバイスとしてInoi社が実機を公開していました。4月の発売を目指しているようでこちらにも期待ができます。

新たなパートナー企業についても発表されていますね。Jalasoftは南アメリカの会社。デバイスの画像なども公開されています。南アメリカではもう一社SIKURがセキュリティ重視の端末を。

JollaはSailfishOSのオープンソース化の取り組みを開始しているとのこと。UIやアプリケーションのオープンソース化に向けて段階を踏むための準備をしている状況で、数ヶ月以内にエキサイティングな発表が出来るとのこと。

引き続き戦略はBRICSを中心とした地域パートナーの拡大ということになるのでしょう。こうした地域パートナーはセキュリティ面に不安のあるプラットフォーマーからの情報収集や外国からの利益の独占に対抗するため独自OSを持ちたいという意向があると思います。そこに共同開発という透明性の高い仕組みを持ち込めることにJollaの強みがあり、生き残りの手段であると思います。

やっと、どうやってご飯を食べていくか見えて来た気がします(笑)SailfishOSの進化とパートナー企業の新型デバイスに今後は期待して行きたいですね。

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