【Android】【Gemini PDA】帰って来たPsion!Gemini PDAフォトレビュー


帰ってきたPsion
君はPsionを知っているか(笑)Psionはイギリスの情報端末メーカーPsion社が販売していたハンドヘルドコンピュータです。当時はPalmに代表されるPDA(Personal Digitgl Assistant:携帯情報端末)全盛の時代であり、小型でポケットに収まるPsionは同じカテゴリに入れられていました。
Palmなど他のPDAが当時のCPU性能などから機能を削ぎ落とし現実的な、ある意味妥協の産物として生み出されていたのに対してPsionは全く違うコンセプトで作られていました。デスクトップコンピュータをそのまま掌に載せる。そのためタッチタイプが可能なノートPCに匹敵するキーボード、高解像度のスクリーン、デスクトップに匹敵するワープロソフトやスプレッドシート、スケジュール管理ソフト、また端末単体で開発可能なプログラミング言語まで備え、理想的に作られていました。ただし、市場が求めていたのはPalmのような簡便なデバイスで嘗ては欧州を制覇したと言われたこのデバイスも大きくシェアを失っていきます。スマートフォンを指向し再起を賭けたモトローラとの協業に失敗しコンシューマ市場から撤退していきました。ちなみにPsionに搭載されていたのはSymbianOSで元々Psion社で開発していたものが発展したものです。当時、他のPDAには採用されていなかったブリエンティブマルチタスクを備える堅牢性に目を付けたNokiaがこのOSを採用して市場を席巻したのは記憶に新しいところです。
モバイルの祭典MWC2017で突如としてGemini PDAがPlanet Computers社より発表されました。ハードウェアキーボード搭載端末はBlackBerryなど一部を除けば絶滅危惧種となっており、意外にも初出展のベンチャー企業の割には注目を集めていました。また、欧米の商業メディアでは必ずと言っていいほどPsionの再来であることが強調されていました。
それもそのはず、展示されたモックアップのデザインは嘗てのPsionハンドヘルドマシンのデザイナーMartin Riddiford氏が手掛けています。また、このプロジェクトを支援するのは元Psionグループの会長David Potter氏、氏はPlanet Computersの名誉会長職を務めます。Gemini PDAにはPsionの元関係者が多数関わっています。正統なPsionの後継機と呼んでも良いでしょう。
MWC2017での発表時Psionと聞いて即座に気絶(笑)しかも3番目の出資者(@_@)))大丈夫かなこのプロジェクトと思いましたが、この手のクラウドファンディングとしてはやや当初の計画より遅れはあったもの驚異的なスピードと言ってもいい速さで製品が出荷されました。Psionのキーボードを貼り付けたモックから約1年。関係者の努力と情熱には賞賛以外にはありません。

前置きが長くなりました。能書きが長いのがこのブログの特徴ですから(笑)
早速、端末購入時の恒例、写真レビューに行きたいと思います。

製品はしっかりした化粧箱に収められています。


Appleのような被せ蓋ではなく、Nokiaのような筒型のカバーでなく、観音扉式の蓋になっています。蓋を開けるとこんな素敵なメッセージ。キーボードの部分がもう1枚の蓋でその下に端末やアクセサリが入っています。


箱には技適マークも大手を振って無線が使えます。例のシンデレラストーリーの女社長さんよりよほどしっかりしてますね(笑)


パッケージの中身はこんな感じ。ACアダプタ、USBケーブル、マイクロファイバーの清掃布、クイックマニュアル、Planet computer社のコーポレートマークのシール、そして外装を開ける治具が付きます。


液晶を開くとこんな感じ、画面が見やすいよう適度な傾斜が付きます。液晶の角度は固定です。


キーボードはUSキーボードを選びました。意外に日本語キーボードを選んだ方が多く、その勇者さんぶりには尊敬の念しかありません。あなた方こそ真の変態です(褒め言葉)キーはぐらつきがあり、かなりナマクラな感じがするのですが打ちにくいという感じはありません。残念ながら私のは個体の問題と思いますが、2と左側のShiftとCtrlに引っ掛かりがあります。(キーが引っ掛かって帰ってこないことがある)ただ、実用上不都合はなく文字入力を行なっています。タッチタイプも自然に出来て個人的には悪くないと思っています。


液晶を閉じた状態。Planet Computer社のマークが目立ちます。


右側面です。上蓋側の穴はスピーカのものです。ボディ側の左の穴はマイク、真ん中はUSB-Cポート、こちらは充電は出来ませんがHDMI出力ができます。その隣はスマートボタン何に使うんでしょ。


こちらは左側面。上蓋側には同じくスピーカの穴。ボディ側には左側からφ3.5オーディオジャック、USB-Cポートこちらから充電します。Hub機能もサポートされているとのこと。その隣はマイク穴です。


背面はクリーンで何もありません。


後ろ側にはGEMINI by PLANET COMPUTERSのロゴが。カッコいい。


Psionのデバイスはヒンジに色々なギミックを持っていましたがGeminiでもそれは踏襲。ヒンジ部分の金属カバーがせり出してキーボードに角度を付けてくれます。ボディが後方に行くに従って浮き上がって角度が付いているのが分かるでしょうか。


背後から見るとこんな感じ。


この角度で見るとかなり背面カバーがせり出しているのが分かりますね。金属部分は触るとちょっと痛く、日本メーカだったらこのデザインは採用されないだろうなと思ったり。


治具を使って上部の金属カバーを外して見ました。ちょっと女性の力ではきつい硬さです。カバーの下には真ん中にMicroSIMスロット(最近はnanoが多いのに珍しい)、右側にはmicroSDスロットがあります。SIMスロットの斜め上に窪みとソケットがありますが、今後追加されるというカメラモジュール用のものでしょう。オプションとしてユーザ側で追加することになります。


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キーボードそっくりさん比較。何かとGeminiと引き合いに出されるPsion5mx(こちらはProです。)です。キーボードの大きさはほぼ同じです。またキーコンビネーションで入力する記号の配置もほぼほぼ踏襲されていることが分かります。どこまでPsionなのという感じです。


Psionにはシルクメニューと呼ばれる液晶上に印刷されたボタンがありました(タッチにてアプリ起動が可能。)それを模しているのがApplication Barです。こんなところにも嘗てのPsionの使い勝手を再現しようという拘りが見えます。

本当に製品が出るのかと初期段階では心配しましたが、長年業界で活躍して来た人達が数多く関わっておりクラウドファンディング製品とは思えないほど完成度は高いです。若者のアイデアを実現する夢のプロジェクトもいいですが、この手のコンセプトがはっきりしたものなら経験豊富な大人達(じぃさんw)による方がしっかりしたものが出来ると思いました。
Planet Computers社は出資者の多かった日本をキーカントリーと位置付けており、日本語キーボードの導入や技適の取得、VOLTEなど日本のサービスの対応に至るまでかなり真摯な対応をしてくれています。この手のフルキーボードデバイスはBlackberryの苦戦に象徴されるようにビジネスとしては非常に厳しい面があります。マニアの心を掴むのを十分ですが、日本では中々それ以上にユーザの広がりがないことは確かです。出来うることなら企業向けなどでGeminiを採用してくれる会社が出て来てくれないでしょうか。もしかしたら間違えて大量導入してくれる企業もいるかもしれませんし(笑)そんな訳でおっさんのノスタルジー漂う役に立たないレビューですが、今後も気が向いたら使い勝手などをレポートしていきたいと思います(^_^;

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