【Nokia】Nokia、Vertuを売却へ

英フィナンシャルタイムズでの報道とのことですが、NokiaがVertuの売却を検討していてゴールドマンサックスと契約を結んだとのこと。
Nokia自身は報道を否定したようですが、詳しい関係者によると売却が完全に決まった訳ではないとのことです。
複数のプライベート・エクイティ・ファンドが興味示しているとの内容もあり、もし売却が行われた場合、当面はブランド価値を高めるような施策がとられ後に売却という投資ビジネス的な方向で進んでいくのではないかと思います。
Nokiaが現在の窮状を脱却するために比較的安定したVertu事業を売却するという見方もあり、Twitterなどでもその様な意見が聞かれますが、当然その様な側面もあると思う反面、資金調達だけの為に行われると考えるのは単純な見方なのではないかとも思います。
まず、資金についてはMicroSoftとの提携により10億ドルの資金援助が得られると言われる事からVertuの売却益並みの資金調達は既に可能であると思われ、むしろ高級ブランドとして極力Nokia色を消しているVertuはNokiaブランドへの貢献はさほど大きくなく、Nokiaは持てる資源をWindows PhoneとNext Billion向けのマーケットに振り向けるためと思えます。
ただし、現状のNokiaは資金はいくらあっても良いという状況があるのは確かで、ヨーロッパで好調な滑り出しとなったLumia800は通常の3倍というプロモーション費用が効いていることは間違いなく、当面収益よりシェア拡大を重視するというElop CEOの言葉にあるとおり、毎回が3倍のプローモション費用的な豊富な販促費を持つSamsungやブランド力の高いAppleに対抗していかなければならない点から、引き続き大規模なプロモーション活動を展開していくのでは無いかと思われるからです。
初代Droidがなぜ売れたか、Samsung Galaxyがなぜ売れ続けているかという事です。当然、ものがダメなら市場に受け入れられないのは確かですが、かと言って良いものを作れば市場でHITするかと言えば、そうならないのが現実です。HPのwebOS端末がいい例でしょう。
Nokiaは持てる資源をWindows PhoneとNext Billion市場に振り向けるため、あえてNokiaブランドへの貢献が低いVertuを切り、背水の陣を取ったのだと解釈しました。まだ、Vertu売却は決定事項ではないので今後の動きに注目したいと思います。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

Spam Protection by WP-SpamFree