【Nokia】次の10億人にアプリをもたらす為に-Nokia Connection 2011-

派手なN9の発表ばかりに気を取られていますがNokiaはNokia Connection 2011で非常に重要な発表をしました。これはスマートフォンプラットフォームをWindows Phone移行するのと同じ位重要な出来ごとです。
Nokia Connectionは大まかに言って3つの大きな発表がありました。将来的にSeries40にQtが対応していく、Symbian Annaの投入とそしてMeeGoスマートフォンN9の発表です。これら3つを繋ぐキーワードがQtなのです。
QtはマルチプラットフォームをサポートするUIフレームワークとアプリケーション開発環境の総称で元々はデスクトップ向けに開発されていましたが、現在はモバイル向けにも開発されており、Windows Phoneに戦略転換する前はSymbianとMeeGoのUIブラッシュアップとアプリケーション開発において非常に期待されていました。
現在のNokiaのビジネスはWindows Phoneをメインのスマートフォンプラットフォームに移行すると決定はしているものの、まだまだ数年はSymbianに頼らざるをえず、Qt開発者のアプリケーション開発による協力が必須です。MeeGoで多くのLinux開発者に参加してもらいクロス開発によりアプリの数を飛躍的に増やすというのが目論見でしたが、前述の戦略転換により開発者も離れていく雰囲気がありました。
そこで今回のSeries40のQt対応、Series40は携帯電話のOSでスマートフォンの様に派手ではありませんがNokiaのビジネスを下支えする非常に重要なプラットフォームです。これは数億台規模の大きなビジネスであり、アプリケーション開発者にとっても大きなビジネスチャンスになります。
一部に低価格のAndroid機との競合からこの戦略を疑問視する声もありますが、本当にそうでしょうか。高機能だけが勝敗を決っするものでは無いと私は思っています。NokiaはWindows Phoneプラットフォームへの移行を発表した衝撃の金融イベントで大きく削減する研究開発費の中でMobilePhoneへの投資については増額する方針を発表しています。Nokiaが強みを発揮しているインドなどの新興市場で通話中心の単機能携帯から移行してくる通話+αを求める、つまりフューチャーフォンを求めるユーザが爆発的に増えると読んでいるのでしょう。高度なインフラを必要とするスマートフォンより、こうした特定の機能に特化したフューチャーフォンの方が有利に働くというのは十分考えられる事です。
正にQtは”次の10億人のユーザのためにアプリケーションを提供する”なのです。財政的な問題ばかり取り沙汰されて、非常に辛い報道が多かったのですが、やっとNokiaの戦略が回転し始めたという感じです。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

Spam Protection by WP-SpamFree