タグ : service

【Service】イー・モバイルの音声サービスを検証する

ケータイWATCHに掲載された
法林岳之氏の記事です。旧ブログの方でも書きましたが、イーモバイルの意欲的な料金プランは高く評価しますが、一方事実上のミニキャリアでしかない現状(弱小Willcomと比べても1/20の規模しか無い。)ではグロバールだの世界標準と言われてもイーモバイルの都合しか感じられないのです。

S11HTはいわゆるSIMロックが掛けられていないが、本来のTyTN
IIは2.1GHz帯(国内では「2GHz帯」と表記)の3Gに対応しており、これをイー・モバイルの1.7GHz帯のみが動作する仕様に変更しているた
め、実質的にはネットワークのレベルでのロックが掛けられていることになる。NTTドコモとソフトバンクという国内の事業者のUSIMカードを利用できな
いようにしたのは当然の措置だが、結果的に海外の3Gサービスも事実上、利用できなくなってしまった(1.7GHz帯を利用した3Gサービスは海外で未提
供)点は、ヘビーなモバイルユーザーにとって、残念なところだろう。

私も指摘しましたが、1.7GHz帯のWCDMAにしか対応していないため事実上のSIMロック状態にあります。また海外でもこの周波数帯に対応したWCDMAサービスを行うオペレータは存在せず、(アメリカの1.7GHzは上り下りの片側だけでありイーモバイルとの互換は無い。)海外においても高速なデータ通信は不可です。
またGSM部分はロックは掛けられていないものの、ここに掛けたらローミング先の無いイーモバイルは世界標準などとはかけ離れた事実上のローカル携帯になります。機能的にはSIMロックは掛けられていないものの、運用上はSIMロック端末と同じというのはここなのです。

会見の質疑応答では、おサイフケータイ(FeliCa)などの機能を搭載することについて、「世界に通用しない機能だからいらない」と強く否定するコメン
トがあった。しかし、FeliCaはケータイではないものの、香港をはじめ、海外でも採用されており、FeliCaを発展させた非接触ICカード規格の
「NFC」は、Nokiaをはじめとする海外メーカーも対応端末を開発している。イー・モバイルとしての姿勢がどうなのかはわからないが、世界的に見ても
ケータイが単なる音声通話の道具ではなく、もっとも身近なデジタルツールとして、活用されるように進化し続けている現状を考えれば、「FeliCaは世界
で使われないから要らない」といった発言はあまり適切ではなかったように受け取れる。

世界チャンピオンNOKIAが盟主である非接触型ICカードの標準化団体にはSonyも参加しており将来的にはFelica互換のものが海外端末にも採用されていくでしょう。確かにオサイフケータイ自体は日本独自規格で海外でも同じ仕様にはまずならないでしょうが、現在のプラスチックカードのような不便なものではなく将来的には携帯端末の標準的な機能ととして組み込まれていくのは間違いないと思います。
通話機能と最も遠い所にある都会のキャリアイーモバイルがこうした決済機能や都会の足である電車やバスで多用される定期やプリペイド機能を否定するなど認識違いも(判っているが自社の都合を優先させなければならない)甚だしいと指摘しておきます。

なんかこう書くとイーモバイルに否定的の様に感じるかもしれませんが、私は上手に利用すればイーモバイルはとても良い選択肢になると思います。それは主に都市部で生活を行い、通話より通信を主に考えているような場合です。
日本はメガキャリアばかりで、日本の津々浦々まで電波が届かないとダメキャリアと認定されてしまうような風潮があります。PHSが最後まで繋がらない携帯との風評で次々と撤退が続いた様に、音声通話の運用も上手に進めないとイーモバイルも同じ運命を辿る可能性もあります。
それにはユーザ自身も変わらなくてはならないと思います。自分に必要なサービスは何か吟味し、サービスは悪くとも通話料金は安いとかコンテンツは弱くともデータは定額サービスが提供されるなど自分に合ったキャリアを選択していく必要があると思います。
MVNOの登場でサービスの多様化、規模の多様化が生まれユーザの選択肢が今後増える事が予想されます。こうした多様化は非常に私にとっては喜ばしく(スマートフォンに最適なキャリアの誕生を望む)イーモバイルが多様化の牽引車になってくれればなと思っています。