【MeeGo】【N9】Nokia MeeGoの濃ゆーい話 その3

Maemo飛翔編改め、Maemo暗雲編(ぉ)は楽しんでいただけたでしょうか。
Taskumuro.comの勝手に翻訳The Story of Nokia MeeGoも第3回。 この後は真のNokia MeeGo Deep storiesが登場します。
今回はMeeGo導入編的な意味合いが強いですが、Symbianチームとの内部抗争は続きます。社内ポリティックス怖い。。。
ではMeeGo苦闘編をどうぞ(笑)

Nokia Maemo + Intel Moblin = MeeGo


2010年2月バルセロナで行われたMobile World CongressにおいてNokiaとIntelはLinuxオペレーティングシステムの開発を統合する新しい共同プロジェクトMeeGoを発表した。

その当時、Nokiaは2009年にNokiaのN900スマートフォンに使われたMaemo5の後継であるMaemo6オペレーティングシステムを開発していた。
IntelはMoblinオペレーティングシステム(Mobile Linux)を2007年から開発しており、最新のMoblin2はIntel X86アーキテクチャのAtomが搭載されたNetbookでの動作に特化した設計がなされていた。MeeGoはQtの開発環境を有しており、Moblinのコアが利用されていた。
NokiaとIntelはデバイス製造会社、携帯電話事業者、半導体製造会社、ソフトウェアとアプリケーション開発者が幅広い範囲でMeeGoを使うと信じていた。プレスリリースから2010年中にNokiaと他の製造会社はMeeGoベースのデバイスを導入すると予想されていた。

NokiaはIntelとの提携によりMaemoをより確固たるものにしようとしたが、2つの巨大な会社の開発チームの組合わせには問題があり、混乱と今まで以上の開発プロセスのスローダウンを引き起こした。

Harmattan


NokiaはすでにMaemo6オペレーティングシステムの開発を2008年から始めていて、NokiaとIntelがMaemoとMoblinを統合してMeeGoとすることを決定する前から非常に長期にわたっていた。NokiaはMaemo6、コードネームHarmattanの開発継続を決定し、出来る限りMeeGoとの互換性を持たせる事とした。NokiaはMaemoオペレーティングシステムのバージョンに異なる風の名前を付けて来た;Harmattanは西アフリカの貿易風の名前である。

HarmattanはIntelの協力による開発でMaemoとMeeGo間のブリッジとして機能するようサポートされた。Harmattanはアプリケーションのバイナリパッケージシステムとして使われるMeeGoバージョン1.2.Debian’s.deb-パッケージと互換性のあるAPI(Application Programming Interface)となるよう開発され、同時にMeeGoはRPM-パッケージ(Red Hat Package Manager)を選択した。

ユーザインターフェイス開発ツールの問題

2008年の同時期、NokiaはノルウェーのTrolltechのQtを買収した。それはC++をサポートするプラットフォームに縛られないソフトウェアとユーザインターフェイスの開発環境だった。Qtの取得後、SymbianとMaemoチームはQtのQGraphicsViewをベースとした彼ら独自のスマートフォンOS UI開発ツールの開発に着手した。Symbianチームの開発ツールはOrbitとして知られており、同時にMaemoチームのものはlibdui(Direct UI Library)として知られている。数百名がこれらのプロジェクトで働き、その多くが全く意味をなさないと思っていた。

すぐにlibduiの開発において、QGraphicsViewが全く未完成である事が判明し、Qt自身にも新しい問題が発見された。QGraphicsViewはWidgetを全くサポートしておらず、QGraphicsViewの最上位部分に開発を行わねばならなかった。継続的なユーザインターフェイス開発の変更は開発チーム内部の問題を引き起こし、アプリケーションはlibdui上で既にコード化されており、それらの開発もまた完成を見なかった。
Symbianチームで開発されたOrbitはlibduiと非常に良く似た外観を持っていた。しかしながら、どのコードも共有される事は無かった。よく聞く噂ではあるが、ある時点でHarmattanのユーザインターフェイスレイヤが全て書き直しになるにもかかわらず、libduiはOrbitに置き換えられる事が決定した。この計画は最終的には中止となり、数ヶ月の作業がゴミ箱へと消えた。

Harmattanのユーザインターフェイスはlibduiで書かれていたが、最終的な名称はlibmeegotouchに変更された。Qt Componentsにそれを加える為の開発が開始され、JavaScriptベースのQML(Qt Meta-object language)によるWidgetが揃えられて行った。Qt Componentsは最終的にMeeGoとSymbianのユーザインターフェイス開発に統合され、QMLで書かれたアプリケーションは両方のオペレーティングシステムで動作することとなった。

Qtにまつわる話は数多くあり、SymbianのOrbitは最終的には採用を見送られたはず。つまり内部闘争は開発の停滞しか生み出さず、ライバルたちに遅れをとる原因でしかなかったことになります。Nokiaの凋落をAppleやGoogleの躍進と捉える事が一般的ですが、当然それが大きな要因なのでしょうが、実は内なる原因が大きな要素を閉めていたのかも知れません。

次は、個人的には最も盛り上がるMaemo6やHarmattan、MeeGoにまつわる数々のユーザインターフェイスのデザインです。更なる私のやる気に期待して下さい(笑)

  1. 「JavaスクリプトベースのQML」とありますが、JavaとJavaScriptは全く別の言語ですので、「JavaScriptベースのQML」とするのが正しいと思います。

      • palmdra
      • 2012年 10月 27日

      ご指摘ありがとうございます。修正しました。

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