【Symbian】Symbian Design Guidelinesから次期Symbian Belleを予想する

X7やE6の出荷でSymbian Annaが既に一般的になり、次のOSの噂が出回り始めています。次期OSの名称はSymbian Belleといい、以前はSymbian FoundationでSymbian^4と呼ばれていたものの機能や特徴を大きく引き継ぐものです。これはSymbianがユーザエクスペリエンスの改善と言う大きな目標の達成の為に当面のゴールとして設定していたものであり、現状Nokiaのスマートフォンプラットフォームの戦略転換を受けた今はSymbianの最終ゴールと認定されるべきものだと思います。
All About Symbianでは最新のSymbian Design Guidelinesを検証する事によりBelleの全貌を予想するという試みがなされています。いつも通りの下手な訳で大変申し訳有りませんが、Belleを占う上で非常に重要な記事だと思いましたので、日本語訳してみました。

以下が記事の翻訳になります。

Nokia Developerで公開されている最新版のSymbian Design Guidelinesにおいて、Symbian UIの将来の外観とスタイルを見ることが出来ます。これらは次期Symbianのアップデートの一部として提供されると予想されています。このアップデートはSymbian Belleと呼ばれ、Symbianの歴史上最大の視覚的変化を(少なくともAVKON UIに対して)得ますが、UIにおいては変化よりも進化が大きいと言えます。

NokiaはSymbianプラットフォームの次のアップデートに関して、開発においてホームスクリーンのより柔軟なWidgetやソフトキーを廃し新しい外観のステイタスバーを装備する事以上には、非常に僅かな情報しか公開していません。現在は公式な発表は無く、10月のNokia Worldにおいて公開すると言うのが最も予想されるシナリオでしょう。
Design Guidelinesは完全な新しいUIの外観を見せてはくれませんが、かなり有用な概要を示してくれます。ターゲットはQt Quick Components 1.0 for Symbianを使う開発者であり、Symbianプラットフォームの現状もしくは将来のネイティブな外観や感覚に合致するような新鮮な外観のアプリケーションを簡単にデザイン出来る事を目指しています。

ガイドラインノート:
SymbianはAnnaのリリースの後、デザインとユーザ体験のいくつかの新しい変更が導入されます。Qt Quick Components 1.0 for Symbianは新しいSymbian Design Guidelinesをフォローする最初の実装になります。Qt Quick Components 1.0 for Symbianはアプリケーションに新鮮な外観を提供するだけでなく、Symbianの仕様にも対応します。
現在このガイドラインに従ってアプリケーションを提供することは、消費者が彼らのSymbianデバイスにインストールしたアプリと若干の違いが生じることを意味します。この変化は、よりモダンなデザインを含み、Symbianの間もなくくるユーザ体験と一致することにおいてより良いと言えます。

以下に幾つかの変更と追加の概要を示します。追加の詳細は完全なDesign Guideドキュメントで確認する事が出来ます。

ステータスバー
ステータスバーは単一のライン上にステイタスアイコン(電波強度、バッテリ、時間)が配置されスリム化されます。

ツールバー
ソフトキーに主導されるメニュー(オプションメニュー)と下部のツールバーは統合されて以前の半分のスペースを使うようになります。Closeボタンはユニバーサルバックボタン(戻るの矢印ボタン)に置き換えられます。オプションボタンはメニューボタン(水平な三本線アイコン)に置き換えられます。
これはポップアップメニューが(ほとんどの場合)引き続き使われるが、真ん中にある2つのユニバーサルボタン(下の例の中のShareとSearch)が占拠するためキーコマンドの使用は少なくなるだろうと予想されます。

ツールバーは2つないし、3か4のアイテムとボタンを含みます。バックボタンは標準で他のボタンはカスタマイズ可能です。ツールバーは表示だけのキーアクションアイテムを含みます。

タブバー
タブバーは同じアプリケーション上で複数の並列な表示を切り換えます。(例えばContacts上でリストとグループ表示を切り換える様な。)タブバーは2つないし3か4のタブを含みます。

タブバーは大抵、ステイタスバーの直下に配置され、画面上を横切る様に引き伸ばされて表示され、選択範囲が大きくなりより指で押しやすくなります。タブバーは現状のSymbian UIにも含まれますが、広範囲に使われて来たとは言い難く、タッチ移行の移植を受けるUIオブジェクトとして成功したものの一つとは言えませんでした。

通知/ステイタスパネル
Symbianではモーダルな2種類の通知が引き続き存在します。これらはユーザの操作を必要とし(例えばダイアログ)、モードレスです。こちらはユーザとの対話を要求しません。(例えば、一般的もしくは状態変化を示すインジケータと情報バーナー)モードレスな通知はより活用が行われるでしょうし、幾つかの通知は情報バーナーのタイプに変わります。情報バーナー(例えば、現在は SMS着信の通知に使われている。)は画面上部に幅いっぱいに表示され、必要に応じて対話式にすることも出来ます。これらは一定時間の経過後、自動的に閉じます。

大きな変化はAndoroidで使われているのと同じ、(上部からの)プルダウンメニューの使用です。このステータスパネルの上部にはユニバーサルインジケータ(状態アイコン)が保持されています。ユニバーサルインジケータの一つをタップすると、関連する動作がオンになります。(例えば Bluetoothのオン/オフ)
下側のパネルは取り逃したイベント(例えば、メッセージやEメール)やオン状態のもの(進行中のイベントや経過を示す情報、通信の情報を保持します。

リスト
リスト表示はSymbianの最も日常的に使われる制御として引き続き使われます。ただし、幾つかのバリエーションと新しい外観を得る事になります。変更によってリストのヘッダーを頻繁に使われるようになり、複数の選択項目の操作や付随するラベルやアイコンのより一層の活用を改善します。

アプリケーションビュー
BelleはSymbianのアプリケーションビューの外観と操作感を拡張し、改良します。一般的に、以前は最も普及している表示は階層的なものでした。(掘り下げられている。)このパターンは引き続き使われますが、以下に示すようなバックボタンの存在により簡単により改良されます。

しかしながら、掘り下げられて行く階層は全ての事象について利用がサポートされるわけではありません。タブもしくはパラレルビューは既に幾つかの事象(Contacts内のタブ)で利用されますが、 Belleは更にそれらを利用するようになり、階層全体をフラットにするユーザー体験が与えられます。パラレルビューは異なる表示を切り換えるタブを使用します。

加えてアプリケーションは両面やアニメーション効果を利用した¨反転¨の様な表示をデザイン出来るようになります。
反転ビューはパラレルビューの特別な場合です。

階層を掘り下げる事とパラレル/反転ビューの重要な違いは、積み重ねられた履歴に対する挙動です。(バックボタンを押したとき何が起きるか。)階層を掘り下げる表示は複数回のステップを踏む必要があります(レベルごとに一回)、一方パラレル/反転ビューは一回のステップで表示を行います。したがって、パラレル/反転ビューにおいてバックを押した場合、アプリケーションが残されたままか階層を一つ上がるだけです。
これらの3つの表示の組み合わせはAndroidとiOSで使われているものと非常に似通っており、Symbian Belleでより今日的な感覚で提供されるでしょう。これらの大半は進化ですが、これらのいくつかのアイデアは既に存在していて、たぶんユーザフレンドリーな方法として提供する事が出来ていなかったでしょう。

バックステップ
ほぼ普遍的なバックボタンの存在はBelleのユーザ体験をより滑らかに感じるようになるでしょう。これが意図することは、ユーザインターフェースを介して移動する方法で最も利用される方法になると言うことです。(ホームボタンやマルチタスクは”ジャンプ”を促します。)

そこにはもはや既存の”アプリケーション”の概念は存在せず、むしろ直前の表示にバックステップする事になります。一部では、厳格なアプリケーション中心のモデルとアプリケーションが相互に順を追って流れるという認識から離れると言う方法を意図しています。全てのアプリケーションが究極の目的地であるトップレベルのホームスクリーンへの移動を含む、バックステップをサポートします。このバックステップの手法は UIQで使われていたものを彷彿します。

ホームスクリーン
新しいSymbian Design Guidelinesはホームスクリーンにほとんど言及していませんが、これもSymbian
Belleにおいてアップデートされるエリアです。主要な変更とはホームスクリーンのレイアウトの柔軟性を高める様々なサイズのウィジェットの導入です。

まだ基本的にはグリッドで仕切られそうですが、単一のスペースを取るもの(例えば、アイコンショートカット)、長いウィジェット、2倍のサイズのウィジェット、その他により最小限に抑えられています。 Symbian
Design Guidelinesはこれらのヒントについて”アレンジング アイテム”の箇所で提示しています。

回転
新しいUIは3つの回転方法をサポートします(縦、横方向右アップと横方向左アップ)、以前はSymbianは2方向の回転サポートだけでした。縦は主となる方向ですが、物理的キーボードを持つデバイスなら標準で横方向を使うようになります。
ガイドラインはユーザ体験において利点を与えられる場合(例えばミュージックプレイヤーのアルバムアート表示など。)を除き、縦、横同じレイアウトを採用する事を推奨しています。

ダイアログ
ダイアログはその下と言うよりボタンを配置したダイアログボックスを持つ新しい外観を得ることになります。ボタンの空白スペースは無く、単一のボタンは中央に配置されます。更に全てのダイアログはツールバーに添付されるのではなく、画面中央に配置されます。
上記の通り、より広範囲な利用は情報バーによって行われ、モードレスダイアログを自動的に却下します。

タンブラー
Belleはまたいくつかの新しいUI要素を導入します。これはタンブラーのこの一例として、値を選ぶ方法の提供もしくは、一つもしくはそれ以上に分割された値の設定、よく知られているものとしては(時間とか。)
各タンブラーは全体がフルスクロールする回転ドラムの様なものです。これらはエラーを削減し、より楽しいユーザ体験を与えると述べられています。タンブラーは時間と日付の設定で利用されます。

タッチ入力のポリシー(ジェスチャー)
既存のジェスチャーは引き続きサポートされます(タッチダウン、タッチ解除、タップ、ロングタップ、ドラッグ、移動、ドロップ、フリック、ピンチ)が追加のジェスチャーとして回転がサポートされています。この回転のジェスチャーは地図や写真のアプリで利用されるでしょう。

感覚フィードバック
ガイドラインは感覚的フィーバックの利点や35種類の異なるタイプの感覚的フィードバックについて詳細に言及しています、これは異なるシチュエーションにおける様々な効果を伴うUIによる感覚的フィードバックの使用が高まる事を意味しています。


流出したNokia700(Zeta)の画像とこのSymbian Design Guidelinesを見るとおぼろげながらも次期OS Belleの全貌が見えてくると思います。Qtベース、1GHz CPUの採用でよりスムーズに扱い易いUIになるでしょう。Symbianの目指す完成形Belleに期待です。

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