【Movie】スカイクロラを見た

一昨日は、嫁とスカイクロラを見に行きました。
映画としての出来は別として、好き嫌いで言えば好きと言うことになります。いや惹かれると言う表現が適切なんだと思います。
原作も知らず、雑誌や事前の特集番組も見ず、Web等で批評のたぐいを読まなかったのは非常に良くて、なんの予備知識も持たずに行ったのは、妙な期待や逆に妙な身構えをしない事になって良かったと思います。
Twitterにパトレイバー2以来の惹かれる映画と書きましたが、そんな感じです。ただし、パト2ほど思想性が強い訳ではなく、観客置いてきぼりでも無い。パトレイバー1ほどエンターテイメントとして映画的カタルシスがある訳でも無く、攻殻機動隊の様に世界的な名声を得られるとも思えません。
だけど、非常に映画的だし、やはり映画という場所でしか存在し得ない作品だと思いました。

【以降はネタバレとは言いませんが、予備知識を入れない状態で見に行きたいような人は読まない方が良いかもしれません。】

全編には近年の押井作品に共通の”空虚な現実”というテーマがやはり貫かれています。
描かれる日常は兵舎とダイナーのみ、まるでピクニックに行ったように戻って来た主人公たちが、ビールを飲む。
しかし、ものを喰う、寝るなんていう日常はそこには描かれないのです。実際は出て来るんだけど、実際に食べるシーンは無いし、ベッドに横たわるだけで本当に寝てるのかは判らない。
仕事という名目で、今の自分になんの疑問も持たない主人公が、草薙という存在を知ることによって”大人”という名前で表現された現実に挑むのは、観客の作品理解とリンクしてクライマックスに雪崩込みます。
やっぱり原作と同じ結末ですが、その突き放し感はやはり押井作品かなと。
某氏が書いてましたが、空戦シーンはいらないには、激しく同意です。ただ、撃墜された残骸が目の前を通り過ぎる感じなど、パト1クライマックスでの鉄骨落下を思わせる押井アングルというべき物で、まあ楽しめました。ヲタクだからナローポルシェとか出て来ると素直にうれしいですし。
なんとなく、劇場を出た直後のもやっとしたものが、自分の中で咀嚼されて一つの線に繋がって行く感じはありますね。そういうところも、これに惹かれる一つの要素なんでしょうね。
ターゲットは狭いですね。最低でもティーンエイジャー以上になると思います。

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  • コメント (3)
    • asterix
    • 2008年 8月 8日

    一瞬、大空を緑色のムカデが飛んでいるイメージが脳内にうかびましたが、暑さのせいです。

    • TMX
    • 2008年 8月 9日

    おお。空戦シーン不要派が増えてうれしいです。^^;

    • ピードラ
    • 2008年 8月 9日

    asterixさん
    それはそれで面白いかも。もはや押井作品を難解だという人はいなくなるでしょう。(おぃ)

    TMXさん
    やはり押井アングルを見たい気がしますが。。。パト1と攻殻を見ればいいやという気もします。(おぃ2)

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