最悪の結末(19年3月9日の撮り鳥)

7/4追記 凄い反響になってしまいびっくりしています。営巣放棄と書きましたが、7/3親が給餌に来たという情報をいただきました。営巣放棄ではない可能性が出てきました。今後は現地に行って情報を得たいと思います。営巣放棄の箇所には取り消し線を入れました。続報をお待ち下さい。

元々はこんなタイトルではありませんでした。梅雨の時期で先週末は雨模様。鳥見に行けなかったら在庫を出そう、そんな感じで準備をしていました。


発端はSNS、フォロワーさんの一人が餌付けしているあそこには二度といかないとつぶやいたことに始まります。


市販の鶏肉を切り株に置いて幼鳥をおびき出すという信じられない行為です。SNSには続々と非難の声が書き込まれます。私も怒りに任せてかなりキツいことを書き込みました。しかし、どうも実状は違うようなのです。


巣立ちを目前にして親鳥が子育て放棄をした模様です。ここはオオタカとの距離が近く、警戒心も薄い(ように見える)ことから甘く考えていましたが、それは勝手な思い込みだったようです。


巡回するブログにも、撮ったばかりの綿毛の残る雛の画像がアップされていました。それでもまだ最悪の事態までは想像していませんでしたが、最悪の結果を迎えることになってしまいました。


ここは元々地元の方が保護に努めて来た場所で、抱卵期にはロープで結界を張り、オオタカにストレスを与えないようにしていました。しかし、ネットなどで場所を名前入りで公開した人などが現れた所為でカメラマンの集結は加熱していました。


この3月時の訪問時さえ、カメラマンの数は70名を超えていたと思います。中には一般利用者の通行を妨げないように注意する地元の方の言うことを聞かない○ソ○キ若者まで現れて、近隣との軋轢が発生しないか心配していました。


それでもこの地では、オオタカと人間の間にある種の信頼関係のようなものがあり大丈夫だと考えていました。


でも、甘かったですね。元来、人間好きではない猛禽にとって度を過ぎたカメラマンの集結はストレスだったのでしょう。結果は巣立ちを目前にしての子育て放棄。最悪の結果になりました。 7/4時点で営巣放棄の確認は出来ていません。


問題となった餌付けの写真、実は地元の方が当面、幼鳥たちの命を繋ぐために始めたようです。決して、写真を撮りたいがためにやっているのではないです。


ただ、次にSNSで起こったのは餌付け行為に対する識者達の批難です。血抜きをした鶏肉は雛の発育に良くない。たとえ善意であっても餌付けは許されないなどの意見です。もちろん、自然のままに委ねるというのが正しい方法であることは分かります。こうした事を許していれば、もっと大きな視野で見た場合それが生き物の生存に影響を与えかねかいということは十分理解はしています。餌をもらうことに慣れたキタキツネの子供が、ある日道端で冷たくなっているというあれです。しかし、今回の件については私は地元の方を支持します。自分たちが大事にしてきた場所で、営巣を手助けして巣立たせていたところで幼鳥が餓死していくのは忍び難いことでしょう。それは人情として十分理解出来るものです。正しければ良いというものでは無いと思います。


今回の件について何が原因になったかの真相は分かりませんが、カメラマンの加熱ぶりによる度を過ぎた集結であったであろうことは想像できます。私も含め、あそこに撮影に行った全てのカメラマンに責任があります。①抱卵期〜巣立ちまでは撮影にいかない②巣の写真は撮影しない③撮影地の場所を公開しない④長時間の撮影は避ける⑤携帯電話で仲間を呼び寄せない、仲間と大勢で押しかけない、どれも一般的な常識だと思います。全てとは言いませんがこの中の2つでも、3つでも守ったらオオタカへの負担は減ると思います。特に①と②は絶対に止めましょう。営巣放棄を招くいい絵なんて絶対存在しませんから。最後に私が切に願うのは事実関係も知らずに、地元の人を批難するのは止めて下さいということです。例え、ここで幼鳥たちが命をつなげたとしても、親から訓練を受けていない幼鳥たちがこの先生き残る可能性は著しく低いと思われます。冬を超えられる幼鳥は3割しかいないのです。それでも私は地元の方を支持します。オオタカの保護に努めてきた地元の方にはその権利があると思うからです。

最悪の結末(19年3月9日の撮り鳥)」への8件のフィードバック

  1. 山林のオオタカ生息エリアで発見した巣なら口を閉ざすべきでしょうが、人間の生息エリア内にやって来た巣なので、皆に見に来てほしいと思っています。
    立入禁止区域・撮影禁止域を守って、オオタカの営巣活動を皆で守ってきました。親が営巣放棄せずに、卵からヒナが誕生し、ヒナが巣立ち出来たのはその成果です。
    巣立ち直前のエサ運びの減少は、巣立ちを進める面もあったのでしょう。観察者が多いから餌運びを放棄した、と結論するのはどうでしょう?

    発端は成長が遅れていた3番目のヒナです。
    1番、2番ヒナは正常に巣立ちしましたが、3番ヒナはまだその時期でないので巣立ち(多くの人は落ちてしまったと云ってます)したことでしょう。エサを求めてピイピイと大きな声で叫んでいるので、通りかかる人たちも皆心配していました。私も知人も走り回るヒナを見て(6/29)野ネコにやられるな、と覚悟したものでした。
    そのヒナを何とか助けたい、が地元の人々の総意だったと思います。
    その後、3番ヒナがどうなったかは関心があります。

    云いたいのは、観察者の観察圧力で営巣放棄を生じさせた、というのは誤解、ということです。都会の人間の生息エリアへきて営巣活動を始めたオオタカ・ペアたちです。
    4か月間 観察を続けてそう結論します。 →

    1. 宇田川様

      ご意見ありがとうございます。ただし、私の考えとは大きく異なりますので反論させていただきます。気分を害さずにお読みいただければと思います。

      >>山林のオオタカ生息エリアで発見した巣なら口を閉ざすべきでしょうが、人間の生息エリア内にやって来た巣なので、皆に見に来てほしいと思っています。

      元来、猛禽は人が嫌いです。子育て時期は特に神経質なり、1日中多くの目に晒されるストレスを考えて下さい。カラスなどの外敵避け、人の近くにいる鳩などの捕食動物との関係性など人のいる環境を利用しているだけでタカにとっては1日中大勢で観察れるのは迷惑だとご理解下さい。これは里山だろうと都会だろうと関係ありません。

      >>親が営巣放棄せずに、卵からヒナが誕生し、ヒナが巣立ち出来たのはその成果です。
      巣立って営巣が終わりという訳ではありません。雛は巣立ち後、遊びを通じて親から訓練を受け、飛翔や狩りなど生きるすべを学んでいきます。親元を離れる時期までが営巣であって、今回は明らかな営巣放棄です。

      >>巣立ち直前のエサ運びの減少は、巣立ちを進める面もあったのでしょう。観察者が多いから餌運びを放棄した、と結論するのはどうでしょう?

      はい。巣立ち前に親が巣立ちを即すために餌を絞ることはあります。ただし、巣立っても餌取りの出来ない雛のために親は餌渡しを巣立ち後も続けていきます。逆に親が子育てを止めたのはなぜでしょう?カラスのような外敵ですか?周辺で餌がとれなくなったからですか?病気などで落鳥ですか?2羽同時というのはどう考えてもおかしな話です。あまりにも多い人の前に営巣地を離れたと考えるのが自然でしょう。

      3番子が未成長のまま、巣から落ちたというのは全く、この件とは関係ないと思います。鳥が巣立ち前に巣から落ちることはよくある話です。自力で動けるような場合は、人がいなくなれば親がアシストして巣に戻します。この時、親がいたかは私は分かりませんが、もしいなかったらこの最大の問題は巣に戻すべき親がいないことでしょう。

      苦労して育てた雛を巣立ち寸前で置き去りにするということは相当のことです。最大の被害者はオオタカであり、そしてボランティアで立ち入り禁止区画などをして保護に努めてきた地元の方です。今回は餌付けという観点で地元の方が批難されているのを見て書いた経緯もあります。

      現状の状態が正しく、成果があったなどというは誤りで、著しく悪事例な営巣放棄が発生してしまったという事実が残るだけです。申し訳ありませんが、せめて営巣地を名前入りで紹介するのはお止めいただけないでしょうか。
      某所では前年営巣を放棄したハヤブサが翌年、営巣を成功させた例もあり来年またこのペアがやってきてくれる可能性があります。今回の反省を元に二度と同じ過ちを繰り返さないことが大事です。もう一度、いいますが雛を新天地へ送り出すところまでが営巣です。親の訓練を受けていないオオタカは自然の中で行きていけないのですよ。
      宇田川様はここのオオタカを大事に思い、愛好するが故に観察日記を残し、他の人にも見て欲しいと思うのでしょう。ただし、そのためには新たな対策やルール作りが必要です。今の状況を正とするのは私は良い状況を産まないと考えます。

      URLには営巣場所名が書かれていたので削除させていただきました。

      1. ご意見ありがとうございます。
        私は基本的に、オオタカは人間の生息エリアの都会に来て、やはり人間の観察圧は嫌だ、と思ったら山林に戻るべき、と思っています。人間側が、干渉しないように規制を強めるべき、とは思っていません。そして逆に、人間はオオタカの山林エリアに出張って 観察圧力をかけるべきではないという考えです。

        今回は明らかな営巣放棄、とのことですが、私の2/23からの観察は6/29日迄です。その時点では 鶏肉を置いたという事件はあったようですが、営巣放棄はまだ不明でした。
        明らかな営巣放棄ということは、6/29~7/3迄 親は全くエサを運んでこなかった。ということを確認された、ということでしょうか?
        3羽の幼鳥のその後が知りたいので よろしくお願いします。

        1. 宇田川様

          >>私は基本的に、オオタカは人間の生息エリアの都会に来て、やはり人間の観察圧は嫌だ、と思ったら山林に戻るべき、と思っています。人間側が、干渉しないように規制を強めるべき、とは思っていません。そして逆に、人間はオオタカの山林エリアに出張って 観察圧力をかけるべきではないという考えです。

          私と異なる意見ということでお伺いしておきます。私にとっては受け入れ難い意見です。

          >>私の2/23からの観察は6/29日迄です。その時点では 鶏肉を置いたという事件はあったようですが、営巣放棄はまだ不明でした。
          明らかな営巣放棄ということは、6/29~7/3迄 親は全くエサを運んでこなかった。ということを確認された、ということでしょうか?

          私自身は3/9以降この地を訪れていませんので、人づてに聞いただけです。

          撮影目的の餌付けではないこと

          ということは聞きました。親が健在な上で、3番子向けへの餌付けというなら中止すべきと思います。

          以上です。

          1. 鶏肉が置かれていて、それを誰かが撮影して、それを営巣現場に来ていない人に渡して 、その人が餌付けの証拠だ、として炎上させた迄を理解してます。
            餌付け、とか 営巣放棄された、とかは 現地での事実の確認が必要なようですね。
            異なるご意見ですが どうもありがとうございました。

          2. 宇田川様

            宇田川様が掌握されている精肉炎上案件はその通りだと思います。

            7/1まで♀の存在を確認できたという話もあり、おっしゃる通り現地での確認が必要なようですね。

  2. おはようございます。

    オオタカのフィールドは大変なことになっているようですね。
    詳しい現場の状況は知りませんが、自分も6月に一度行っているので
    責任を感じます。

    ここのオオタカは人馴れしているように見えたので、私も甘く見ていました。
    今は3羽の幼鳥が自然界に順応できるよう願うしかありません。

    1. ち〜すけさん

      本日、状況を確認してきました。♂親不在で給餌が滞り、巣から落ちて見捨てられ気味の3番子に餌を与えたというのが真相みたいですね。
      3番子は結局、行政に保護されたようです。

      ♀親に頑張ってもらいなんとか一本立ちしてほしいてすね。

palmdra にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です