2018年2月12日の撮り鳥その2

物語りの中で重要な役割を果たす鳥は数多く存在する。ただ、物語り自体を纏う鳥は多くはないのではないか。
19年前、諏訪湖で衰弱した1羽のオオワシが保護される。搬送される車の中でグルと鳴いたこの鳥に人はグルと名前をつけた。


人の手厚い看護を受けて回復したオオワシは再び野に放たれた。


すると翌年から毎年のようにこの地を訪れるようになった。


鳥は人々に愛され、冬の訪れと共にやってくるこの地のアイドルとなった。


そして5年ぶりの御神渡りが見られた今季も同じようにこの地に戻ってきた。


遥か昔、この地に住む人々は御神渡りを神様が凍った湖面を歩いた跡だと想像した。


まるで神様に遣わされるごとく毎年この地を訪れるこの鳥は当然のようにこの御神渡りの上に載る。


いわゆる絵になるということなら、北の海で氷山に載る姿を遊覧船で眺めた方が遥にその言葉に相応しいものが見れるだろう。


しかしそれらはただのオオワシであって物語りを持つわけではない。


やはり物語りを持つこの鳥は特別な存在なのだ。


湖の周囲を囲む山の斜面や凍結した湖面で1日を過ごしたグルは夕暮れ時、塒である山へ帰っていく。


滞在中は何度も市街地の上空を帰路に選んで飛んでいく。


これは世界的にみても非常に珍しいことだという。市街地の上空を舞うオオワシはここでしか見られない光景なのだ。


グルの舞う空の下には人々の日々の営みがあり、幸運にも見上げた空にその姿を見かけたものはこの鳥と人の繋がりが今も続いていることを実感するだろう。


オオワシが空を舞う、それだけで十分なのだ。人との繋がりを強く感じさせる鳥、そんなこの鳥の魅力に惹きつけられたものがまた次の冬、再びこの地を訪れるのだろう。


物語は続く。そして鳥は伝説になった。

いかがでしたでしょうか渾身のポエム(^_^;
次回は信州遠征編も最終回。高台で大サービスのグルさん編です。

2018年2月12日の撮り鳥その2」への4件のフィードバック

  1. おはようございます。

    グルさん、雪がちらついててとてもいい感じで撮れましたね!
    物語も素晴らしい・・文学的才能があるんじゃないですか?(^^)
    これは大きく伸ばして是非額に入れてください!

    1. ち~すけさん。

      おはようございます。
      予想通りというか予想を越えていいところを飛んでくれました。さすがレジェンド期待を裏切らないといあところでしょうか。

      文学のセンスは無いと思いますが、少しでもグルさんの魅力が伝わればと思い書いてみました(^_^;

      ではでは。

    1. Ponsukeさん

      おはようございます。
      ですね。ここのベストはやはり市街地バック。
      高台側は近いけどどうしても空抜けになっちゃいますからね。

      ではでは。

palmdra にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です